koyaken4852のブログ

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日高山脈が国立公園に指定 二回目

念願だった日高山脈が、ようやく国立公園に指定される その二回目

 前回は、一部の山岳団体や全道の自然保護団体の悲願だった、日高山脈の国立公園指定が、ようやくのことで6月中に環境省が指定、の報をアップした。

 次回に、日高山脈の中央部分を貫く様な日高横断道路建設反対運動をアップする旨だったが、今回も、前回の言い足りない部分を含めてアップする。

 前回アップの12団体が環境省へ要望した「日高山脈の国立公園指定要望書」の中を読み込むと判るのだが、日高山脈がいかに原生流域自然環境が残されているのか、を見てみたい。

 原生流域と言い表したが、要するに人の手が入っていない原始秘境自然環境とも言い表せる地域の広さが断トツに広い、のだ。

日高山脈の原始秘境自然環境概要

 日高山脈の原始秘境は、一般の市民には分かりずらいだろう。多くのロ-プを使う登攀登山者達は、山頂へは沢を詰めて頂上を踏む日高山脈を知っている。日高山脈は、わが国の北は北海道から南の沖縄までの山域の中でも、沢登りの登山者以外は目に触れない山懐の深い大自然がある独特の山岳秘境地帯なのだ。登頂した日高の山で下山は登山道、と思うのはダメ。下山も沢が唯一で、下山途中で又二股沢からつぎのピ-クへ辿ったり。

 平成13年の環境白書には、日高山脈日高山脈襟裳国定公園内には20ヶ所の原生流域が総面積47,820ヘクタ-ルの存在を記述。その中で全国の原生流域のベストテンを掲げている。その5位までを挙げると、①日高山脈襟裳国定公園47,820ha、②大雪山国立公園16,930ha、③白神山地自然環境保全地域12,648ha、④磐梯朝日国立公園12,520ha、⑤越後三山只見国定公園10,762ha、となっている。ちなみに世界自然遺産に登録された知床国立公園は4,870haで10位である。

これは大雪山国立公園内の7ケ所16,930ヘクタ-ルの3倍、世界自然遺産登録の白神山地内の4ケ所12,648ヘクタ-ルの4倍の広さで、実に日本国内の原生流域総面積の4分の1の面積。

 また他方、林野庁が将来にわたって林業として木の販売をしない、種の保存などを目的とした地域を指定した森林生態系保護地域制度に該当する、わが国の主要な森林帯を代表する原生的な天然林として「日高山脈中央部森林生態系保護地域」面積66,353haもある。これは日本最大の森林生態系保護地域。

 日本の山を登山している登山愛好者達は、皆さんが分かっていることだが、日高山脈はほとんどの山に登山道が無い、という特徴と云うか登山の未開発地域と云えるだろう。数字をあげて説明したのだが、果たしてお判りいただけただろうか。

日本の国立公園法は「保護と利用」の条文

 自然公園法の法律があって、その条文の特徴として「保護と利用」の条文がある。しかし日本の他の地域にある国立公園には、利用するに値する登山道などがあっての利用なのだが、ここ日高山脈には利用を促す登山道がない。さて、国や北海道・公園に接する市町村などは、今後登山道などを新設地して登山者や観光客を誘致するのだろうか。   日帰り登山が困難な距離も多く、登山口と頂上の間に宿泊可能な山小屋の設置も必要となろう。登山道や山小屋の永久管理も当然必要になる。果たして今後の国立公園管理の将来は未知数、といえる。国立公園指定後の楽しみが増えるのかどうか、登山愛好者の一人として楽しみ。

 この「保護と利用」は、考えると相反するもの。軽く考えても重要に考えても、両立できるわけがない、とわたしは思慮している。その証拠となるかどうか、名称に一平方メ-トルも国立公園地域に入らない「十勝」を入れるらしい。

 

日高山脈沢登り サツシビチャリ川遡行

 

日高山脈沢登り ルベツネ北面直登沢 F1(一番目のオ-バ-ハングの滝)

日高山脈沢登り ルベツネ北面直登沢 F2とF3(二番目と三番目の滝)

日高横断道路の現地調査隊 1984

日高横断道路の現地調査隊 山中二泊三日・テレビカメラで撮影