koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

1982年カ-タン峰北海道登山隊40周年隊員の会開催、その6回目

ネパ-ル・ロ-ルワリンヒマ-ル・カ-タン峰遠征40周年の集い・六回目

 2022年11月25日午後3時から、札幌ガ-デンパレスで、40年前に初登頂した北海道カ-タン峰登山隊の集いが開催された。

 今回で6回目、四回目前から40年前のネパ-ルヒマラヤ・カ-タン峰登山をアップし始めた。

 前回は、ネパ-ル政府の登山に関する規則の詳細、その内ネパ-ル政府が登山を認めている414座の全てについてアップした。414座は、メジヤ-エクスペディションピ-クとライトエクスペディションピ-クに分けられる。

 今回は、ネパ-ル政府の登山に関する規則の詳細をアップしたい。ここでは、登山と共にネパ-ルを楽しむためのレッキングについての規則も含めたい。

1991年 アンナプルナⅠ峰北海道登山隊

1982年 カ-タン峰北海道登山隊 キヤンプ2からエベレストをのぞむ

 

ネパ-ルの登山規則は、山の標高などは実測と違う

 我が国日本で暮らしていると、登山に関する規則など、いるのか要らないのか関心も感じられない、だろう。こんなにも多くの規則があるのか、と思われるほど、だ。実は、前回アップした414座のヒマラヤの標高は、ネパ-ル政府公認標高になっていて、実測とは異なる。一度法律として国会議決されたり、内閣閣議決定された登山規則は、改変の議決を経なければ山の標高と云えども、実際の実測と違うものとなる。

 

ネパ-ル国内フライトや遭難対策の新規則を検討中

 まず最初は、ネパ-ルのトレッキングに関する規則をはじめ、登山隊規則もアップ。

他方、カトマンドゥ空港からク-ンブヒマラヤへの玄関口であるルクラへのフライトへのフライトの諸事情なども、規則ではないがアップする。

 また、新型コロナにより、若干登山者数が減少した2020年以降前の2019年プレモンス-ン季節のエベレストでは、約800人がベ-スキヤンプに詰めかている。そして、5月22日にはなんと223名が登頂、という大混雑で、このシ-ズン11名死亡。ネパ-ル政府は、遭難対策面のエベレスト登山規則新設を検討せざるを得なくなっている。現地のエ-ジエントからの情報もアップしたい。

 

ネパ-ル人やネパ-ル政府は、登山や観光の概念確立に素人だった

 現在、世界中の登山者や各国政府は、ネパ-ルの国を挙げての登山や観光政策を身近にしている。

 今回アップするネパ-ルの登山・トレッキングの規則は、従来から既存の約束事のように思える。しかし、ネパ-ルは1950年に、130年間の鎖国政策を解いて開国した歴史があって、国民が文化としての登山や観光をする習慣がなかった、のだ。

 イギリスのエベレスト登山は、130年間もネパ-ル登山ができず、1921年からチベット側からエベレスト初登頂を目指してきた。チベットは独立国だったので、チベット仏教が国を支配し、ダライダマが登山許可をしていた時代があった。

 世界中の登山隊に登山許可を与えるために、ネパ-ル政府は開国一年前の1949年に外務省を新設した。

 イギリス・エベレスト隊は、ネパ-ル側からの1950年からアタック二度目の1953年5月29日午前11時30分、第9次隊が初登頂する。

 開国した当初のネパ-ルは、国王会計が国の財務の全て、という国の形だつた。それで、外国登山隊のガイドやポ-タ-の手配など、ネパ-ル政府がしなければならないことを整えたのは、なんと1970年代に入ってから、という事情。いわゆる、エベレストの麓で農業に従事してガイド業を行うシエルパ族達は、ダ-ジリンからカトマンドゥへ移動しての、登山隊の出発だった。ネパ-ル山岳会の設立は1969年。1977年にようやく観光省登山課が新設。1950年代から約20年間もの間、ネパ-ル政府は「登山」の概念さえ理解できていない現状があった、のだろう。

 

1950年に開国したネパ-ルは、スイス人のトニ-・ハ-ゲンを招致

 話しは、少し横道を外れて歩くが、1950年に開国したネパ-ルは、国王がスイス人のトニ-・ハ-ゲンを招いて、ネパ-ル全土の調査を許可。ハ-ゲンは、一家でネパ-ルに移住し、十数年に亙って調査しネパ-ル・ヒマラヤの王国」を出版。ネパ-ルについての諸事実については、種々の概説書が発行されているが、その基になるものはハ-ゲンの「ネパ-ル・ヒマラヤの王国」。2019年10月、ネパ-ル政府はトニ-・ハ-ゲンの功績を称えて、カトマンズ南方の都市ヘトウダに記念公園などを建設した。

ではネパ-ルの登山・トレツキング規則をアップする。

 

ネパ-ルヒマラヤのトレッキング登録料

 ネパ-ル政府は、2008年1月1日よりTIMS(Trekker's Information Management System トレッカ-情報管理システム・トレッキング登録制)の導入を実施。エベレスト・アンナプルナ・ランタン方面に適用。

 新制度としたTIMSについて、メジャ-登山隊・ライト登山隊及び特別指定地域(トレッキイング許可証が必要なカンチェンジュンガマナスル、ムスタン、ドルポ等々)への入域にもトレッキング許可の他にTIMSが必要とル-ルを新設した。登山のキャラバン中やトレッキング中に必要になる。ヘリで直接村やBCに入る場合も必要となる。

 TIMS制度については、2016年3月にル-ルが変更された。

TIMS登録料は、2000ルピ-/一人/1地域 (約20$)

登録料は 1.トレッキング会社経由の場合は 一人10USドル。

2.個人で申請する場合は一人20USドル 

トレッキング登録書

写真は28mm×34mm

 

トレッキング許可に関する料金

 2019年、地域名が変更されている。国が町村や地域名を変更したため。

1.Upper Mustang

 1) 最初の10日間はUSD 700/ person。2)これを超えるとUSD 70/day/person

2.Upper Dolpo

   1) 最初の10日間はUSD700/person。2)これを超えると USD70/day/person

3.Manaslu Region

   1) 9月から11月までの期間

       最初の1週間はUSD 90/person。これを超えるとUSD10/day/person

   2) 12月から翌年8月までの期間

       最初の1週間はUSD 75/person。これを超えると USD 7/day/person

4.Humula(Yari)

   1) 最初の1週間はUSD 90/person。2) これを超えるとUSD 15/day/person

5.Kanchenjunga,Lower Dolpo,Gaurishankar,Lamabagar

   1)USD 10 /week/person。2) 4週間を超えると1週間につきUSD 20

6.Gorkha District。なお、8日間が単位となる。

    1) 9月から11月までの期間

        USD 35/8 days/person

   2) 12月から翌年8月までの期間

        USD 25/8 days /person

                        

国立公園入園料リストと料金 RS=ネパ-ルルピ-

A)

NATIONAL PARKS 国立公園

ENTRANCE FEE

 

1

CHITWAN NATIONAL PARK

RS.1500

 

2

LANGTANG NATIONAL PARK

RS.3000

 

3

SAGARMATHA NATIONAL PARK

RS.3000

 

4

RARA NATIONAL PARK

RS.3000

 

5

SHEY PHOKSUNDO NATIONAL PARK

RS.3000

 

6

KHAPTAD NATIONAL PARK

RS.3000

 

7

BARDIYA NATIONAL PARK

RS.1500

 

8

MAKALU BARUN NATIONAL PARK

RS.3000

 

9

SHIVAPURI NATIONAL PARK

RS.250

B)

WILD LIFE RESERVE  野生生物保護区

 

 

1

SUKLAPHATA WILDLIFE RESERVE

RS.1000

 

2

KOSHI TAPPU WILDLIFE RESERVE

RS.1000

 

3

PARSA WILDLIFE RESERVE

RS.1000

C)

HUNTING RESERVE  狩猟保護区

 

 

1

DHORPATAN HUNTING RESERVE

RS.3000

D)

CONSERVATION AREA 自然保護地域

 

 

1

ANNAPURNA CONSERVATION AREA

RS.2000

 

2

KANCHENJUNGA CONSERVATION AREA

RS.2000

 

3

MANASLU CONSERVATION AREA

RS.2000

 

4

MANAG CONSERVATION AREA

RS.2000

国立公園・野生生物保護区の許可書

写真 20mm×27mm

 

ネパ-ルヒマラヤ登山料規則

2014年2月12日、ネパ-ル司法省公報掲載の通知。外国からのネパ-ル登山についてのネパ-ル登山料規則は下記の様に改正。

登山料は米ドル。ライト登山、メジャ-登山の両登山を含む。キャンプ代は政府関係への支払となる。金額は外国人一人分の利用料金。

1~8  1チ-ム15人まで

外国人登山者のための登山料規則は、西暦2015年1月1日から施行される。(ビクラム歴2071年9月17日から)

 

春期(3月~5月)、夏期(6月~8月)、秋期(9月から11月)、冬期(12月~2月)。

山のカテゴリー

春期

秋期

夏・冬期

1)Everest Normal Route

11,000

5,500

2,750

2)Everest Other Route

10,000

5,000

2,500

3)Other 8000m peak

1,800

900

450

4)7501~7999m peak

600

300

150

5)7000~7500m peak

500

250

125

6)6501~6999m peak

400

200

100

7)Mt. Aamadablam (6821m)

400

400

200

8)Less than 6500m peak

250

125

70

 

 

外国人のゴミ処理に関するデポジット料金

2015年1月1日~。登山規則25条1項・USドル

A)クンブおよびアンナプルナ地域

B)その他の地域                       

 

1.

エベレスト

4,000・

8000m以上の山

2,000

2.

8000m以上の山

3,000・

8000m未満の山

500

3.

7501m~7999mの山

2,000

 

4.

7000m~7500mの山

1,000

 

5.

6501m~6999mの山

1,000

 

6.

6500m以下

500

 

7.

アバダムラム峰

2,000

 


ネパ-ル人メンバ-に適用・ゴミ処理に関するデポジット料金

A)クンブおよびアンナプルナ地域

B)その他の地域

 

1.

エベレスト

4,000

8000m以上の山

2,000

2.

8000m以上の山

3,000

8000m未満の山

500

3.

7501m~7999mの山

2,000

 

4.

7000m~7500mの山

1,000

 

5.

6501m~6999mの山

1,000

 

6.

6500m以下

500

 

7.

アバダムラム峰

2,000

 

 

 

 

 


ネパ-ル・ヒマラヤ登山の保険に関する運営方法規則

 この保険はエベレストのみならずライト・エクスペデイション等全登山に適用される。

 パ-ティ-が外国人隊とネパ-ル人隊と両方に適用される。

登山従事者の保険 実施は2015年1月1日~

保険の詳細

保険-1(事故に適用)

      職種             保険金額
リエゾンオフイサ-(L. Officer)    Rs.  800,000
サ-ダ-(Sirder)          Rs.1,000,000
高所ポ-タ-(HAP)           Rs.1,000,000
コック・キッチン要員(BC Woker)   Rs.  800,000  
キャラバン・ポ-タ-(Local Porter)Rs.  500,000   

 

2014年1月1日~

保険-2(病気に適用) 法律19(5)条の下で

  職種               保険金額

全登山従事者           Rs.300,000

 

2014年1月1日~

保険-3(救助に適用) 登山規則20条・29条

  職種                保険金額

全登山従事者              10,000ドル

 L. Officer = Liaison Officer(政府連絡官) 
Sirder = 登山従業者のリーダー
HAP =  High Altitude Porter
BC Worker =  Cook , Kitchen Etc
Local Porter  = キャラバン・ポーター

 キャラバン・ポ-タ-については出発前に人数、名前などを把握できないため概ねの人数で一括掛ける。

登山隊の保険料納付は、通常ネパ-ル現地のエ-ジェント経由で行われる。

 

登山隊に雇用されたネパール人のレスキュ-・ヘリコプタ-について 2010年1月

 従来から政府連絡官(リエゾン・オフィサ-)及び雇用員(高所ポ-、ロ-カル・ポ-タ-等)等の事故処理等の輸送については登山隊が金銭的な保証を行う事になっているが、実行されないケ-スがあったため、観光省は2010年1月より登山隊が保険でカバ-するよう指導している。なお、この指導に従わない場合には事前のブリ-フィングが行われず出発できないことになる。なお、これは登山規則が変わった訳ではなく登山規則(20条)に施行細則が無く担当官の自由裁量で判断されてていたため省令で確認したものである。

  • 根拠となる規則
    登山に適用される法律は以下2つの規則である。

1)Tourism Act (観光法)

2) Mountaineering Expedition Regulation (登山規則)
   本件は登山規則第20条が適用摘される。

Insurance shall be made for emergency rescue.  The mountainering expedition team shall make insurance for the purpose of section 29 of the act,(観光法)、an insurance company recognized by Government of Nepal of the amount as prescrived by the Ministry.

但し、施行細則が無いため省令で確認したもである。
2.保険手続き

1)保険金額(概算) US4000ドル~US10000ドル

2)保険掛金(概算) US350ドル~US850ドル

 保険金、掛け金はルピ-ですが外国人にはわかりにくいため便宜上ドル換算したものです。変動相場の為保険加入日の交換レ-トによります。保険金、掛け金は登山地域によって異なる。

  • 手続き

 政府の公認する保険会社で行うが掛け金は加入金額(保険金額)7%にVAT(Value dded Tax 付加価値税)13%を加えた金額になる。

  • 適用(被保険者)

政府連絡官、高所ガイド、ベ-ス・キャンプ・ワ-カ-、等ネパ-ル人。なお、無記名で保険(生命保険等)に加入する。ロ-カル・ポ-タ-はこの保険の適用外となります。

  • 保険証書があれば支払い証明書等他の書類の必要は有りません。

 

エベレスト地域のキャンピングの料金の新設

 ネパール政府はエベレスト地域のテント宿泊者について、ルクラから徒歩3時間、ジョソレの国立公園入口の事務所にて、キャンピング料金を徴収。

外国人1500ルピー(約15$・1500円)/1人

ネパール人・100ルピー/1人/1回

ポーター・25ルピー/1人/1回

ガイド・・1500ルピー/1人(何故かガイドのみは1年間有効)

◎ メジャ-の登山許可がある場合のみ国立公園入園証が必要ない。エベレスト、ローツェ、アマダブラム等々。

◎ ライト登山許可の場合は、従来通り国立公園入園証が必要。ロブジェ、アイランドピーク、パルチャモ等々。

 

サガルマ-タ-・ル-ト使用料 2016年春期から。

 サガルマ-タ地域環境保護委員会(Sagarmatha Protection Committee・SPCC)という環境NGOのアイスフォ-ルドクタ-という架橋専門部隊がこの作業を担っており、通行料を支払ってここを通過します。

 アイスホ-ル通過料、 BC以上のル-ト使用料。サガルマ-タ-のC1から上のル-ト使用料、ロ-ツェの新設。

200$/1人

 この春からローツェもルート使用料を新設する。一人150$徴収。

 ル-ト作成団体と登山隊とのトラブルは、ハシゴによる架橋やフイックスロ-プなどのル-トについては、より安全・最短距離などの理由で登山隊自らル-トを作り、使用料を支払いせずに登攀し、ル-ト作成団体とトラブルになった例もある。

 

ルクラ・フライト荷物の制限 2013年より

 ルクラ・フライトですが荷物の制限が預け荷物13Kgと手荷物2Kg合計15Kgまでとなりそれ以上は超過料金を支払っても受け付けて貰えない。

 ネパ-ル国内フライトは、航空機事故が相次ぎ、特にルクラへのフライトは、登山隊やトレッキングの荷物重量オ-バ-による事故で、この規則になった。

 ネパ-ルのエ-ジェントは、ルクラにトレッキングや登山装備を、新たにデポして対処している。

 

ルクラ・フライトについて 2019年より

 ルクラ・フライトが、ラメチャプのマンタリ空港からの発着が始まった。

 マンタリ空港は、カトマンドゥから自動車道路があり5時間、ネパ-ル中部のジャラカプル州ラメチャップ県(郡)の県都がマンタリ。

 ルクラ飛行場のあるク-ンブ地区は、ジャラカプル州のヒマラヤ側隣のサガルマタ州にある。

 当初はトリブバン空港が夜間から早朝の工事のためだったが、有視界飛行の確率がマンタリ空港発着で良くなったため、引き続いて行われている。カトマンドゥは周りを山(丘)にぐるっと一周囲まれており、霧が立ち込めるとなかなか晴れない地形・気候条件がある。

ラメチャップ・マンタリ空港 滑走路 518m 写真はインタ-ネットより

 

ネパ-ルのエ-ジエントからの新しいエベレスト登山規則の検討情報 2020年1月17日

 観光省は昨年春のエベレストでの大量遭難事故の教訓から、遭難防止などの為検討を重ねている。
 エベレスト登山はほとんど春のシーズンに集中しており、昨年の春は381名の外国人登山者とネパール人ガイドなどで約800名の登山者を数え、5月22日には223人が一度に登頂した為、ルート上で渋滞がおこり、時間切れで登頂を諦めたパーテイも多かった。また、遭難事故による死者は11人にのぼり、今後の対策が現在省内で検討されている。

主な協議事項は
1.登山許可の問題
 あまりにも多くの登山者が集中的に登山するため、所謂オーバー・ユースとなるため、規制をかけるべきか。また、登山許可の条件を過去に6500m以上の登山を経験した者の限る。

2.リエゾン・オフィサー(政府連絡官)の廃止
 登山隊には政府連絡官が同行するが、昨春のエベレストの場合33隊に33人の連絡官がBCに滞在することになり無駄である。このため、これに代わり医者、警察、軍、でチームを組織して登山期間中BC付近に駐在する。

3.保険の強制
 事故処理には大金を要するため、登山許可の条件の中に強制保険加入を条文化する。

 

1950年トニ-・ハ-ゲンのネパ-ル調査