koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

ネパ-ルの新型コロナウイルス情報 第18回の3回目

ネパ-ルの新型コロナウイルス情報の18回目のその三

 前々回は、中国政府の情報で、エベレスト頂上に、ネパ-ルと中国の国境に「分離線」を設置する話。

 前回は、エベレストの写真をアップ。

 今回は、遂に中国政府がサガルマ-タ(エベレスト)の全ての登山隊に、登山中止を伝達。

中国政府、ウベレストのネパ-ル側コロナ禍で、登山中止

 エベレストの頂上で、ネパ-ル側から登頂した登山者からコロナ菌をもらって、中国側から登った登山者が中国側のベ-スキヤンプにコロナ菌を運ぶのを危惧した中国政府。登山そのものを中止してしまった。

ネパ-ル側の登山隊は自主的に登山中止

 今年のネパ-ル側からエベレスト登山をしている人達は、38隊で男279人と女87人合計366人。外国人のエベレスト登山する366人を世話するのはネパ-ル人。まず登山隊に必ず同行するネパ-ルの公務員リエゾン・オフイサ-が一人。そして。高所クライミングガイドや高所ポ-タ-・コック・カンチャ(コック見習い)等々、エベレストベ-スキャンプは約1,000人がごった返している。

 この38隊の登山隊、ベ-スキャンプでコロナ陽性者が多く出て、ネパ-ル政府がそれを知りつつも何も手を打たないので、全ての登山隊が自主的に登山を中止してしまつた。

 たぶんだが、多くの登山隊はネパ-ル政府の無策に怒っているだろう。事前にネパ-ル政府に支払った登山料の返却を請求するのだろうか。伝染病禍のネパ-ルと登山界、初めてのことなので、どうなるのだろうか。

リエゾン・オフイサ-

 ネパ-ルヒマラヤの6,500m以上の登山には、リエゾン・オフイサ-の同行を求められる。

 このリエゾン、ヒマラヤ登山を一度も行ったことがない。ネパ-ルの普通の公務員。

登山隊にリエゾンが同行する理由は、登山隊が違法な登山や規則に反する登山を行わないように監視する役割。許可を得ていない山の登山や、登山中にゴミを放置するなどの監視をする。

 このリエゾン、登山をしたことがないのだから、ベ-スキャンプでテント暮らしには向いてない。ゆえにベ-スキャンプ手前の村に滞在することが多い。この場合はリエゾンが規則違反なのだが、登山隊はこの方が都合が良いので、ネパ-ル政府に告げ口することはない。

 ちなみに、リエゾンが登山隊同行で得るお金は凄い金額。4千mを超えるベ-スキャンプで生活する全ての装備費用と日当。勿論一日二食は無料で食べれる。エベレスト遠征の日数は、首都カトマンドゥから出発して帰るまで、最低でも2ケ月間。もらうお金は30万円から50万円くらい。野菜などの物価が日本の六分の一なので、30万円として180万円の価値。

 ほとんどのリエゾンは、ネパ-ル公務員の中の中・高級官僚。ネパ-ルの宗教はヒンデゥ-教で、教義のカ-ストがある。中・高級の公務員はほとんどが高位カ-ストで、登山隊の世話をするネパ-ルメンバ-達はほとんどが中・低位カ-スト。ベ-スキヤンプの一登山隊の中で高位と低位カ-ストが一緒に生活することになる。ヒンドゥ-教の最高位カ-ストは、地域や職場の支配者でもある。

 本当は、登山隊の雇用人のネパ-ルメンバ-だが、ベ-スキャンプ内ではリエゾンにも支配されるのだ。

 このリエゾン制度、たいした役にも立たないリエゾンだが、ネパ-ル政府は廃止する考えもない。今年は、エベレストに38人のリエゾンが同行してる。実は公務員の賃金ではカトマンドゥで家族一家が生活できない賃金なのだ。この副収入に頼らざるを得ない公務員と、それをシッカリと知っているネパ-ル政府の関係。

 ちなみに、数年前のネパ-ル公務員の初任給は24,000RSルピ-。1RSルピ-=1円

 中国側のエベレスト

S・Sさん撮影写真

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ネパ-ル側エベレスト

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