koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

新春明けましておめでとうございます 第3回目 ネパ-ルの牛

新年明けましておめでとうございます。その三回目 ネパ-ルの牛

 2021年は丑年。

 今日も、昨日に続いてネパ-ルの牛の写真を見てみる。

 ネパ-ルの牛は、日本の牛と同じ「ホルスタイン」や「和牛」などの牛を「牛」と定義する。

 ネパ-ルに飼育されている「水牛」や「ゾッキヨ」「ヤク」などの牛は、「牛」と区別されているのが特徴。

 それは、ネパ-ルの主な宗教のヒンドゥ-教に深く関係する。前回に触れたが、「牛」はヒンドゥ-教の三柱神の一人のシヴア神の乗り物で、牡牛のその名をナンディと呼ぶ。牛が神ではないが、神様の乗り物なので、神聖な動物となった。

聖牛崇拝と牛肉の高位カ-ストの食物時代

 神様の乗り物の牛。ヒンドゥ-教徒にとっては、とても牛肉として食するわけにはいかない、が、食べていた時代もあったらしい。

ネパ-ルの牛は、昔は役牛として飼育されてた。それは、牡牛が自動車の役割の移動・運搬の役にたち、又農耕に用いられ、牝牛は飲む牛乳を供し、乾燥させた牛糞は貴重な燃料(牛糞ケ-キ)と役に立つ。

それが、いつからか牛が神と関係し出してから以後、牛以外の「水牛」や「ゾッキヨ」「ヤク」などの牛の役割に時代変化した。現代生活では、「牛」とその他の「水牛」や「ゾッキヨ」「ヤク」などが区別され。

 ここで大切なのは聖別されているのは主として瘤牛で、水牛やゾッキヨ・ヤクなどは崇拝の対象とならず区別されていること。

 一方、ヒンドゥ-神学では、牛の神聖性は輪廻転生と関係あり。ヒンドゥ-教の輪廻転生の考え方は、最上段の人間に転生する1つ前の段階が牛であり、牛を殺した者は輪廻の階梯の最下段からやり直すことになる。輪廻の階梯は78段階もあるのだ。

それでは、何時頃から牛を食べなくなったのだろうか

 ネパ-ルの聖牛崇拝と牛肉をいつから食べなくなったのか、少し調べてみた。

 歴史をさかのぼり紀元前13世紀から紀元前11世紀のリグ・ヴェ-ダ (サンスクリット語ऋग्वेद)と呼ばれる時代には、普通に食材として牛を食べていたらしいのだが、その後、牛が多くの人々の食材となるには、コストが掛かり過ぎる貴重品となり、食材としては高位カ-ストのみの独占食物となった、らしいのだ。牛の食べ物、牧草地を確保するのは、大地主の高位カ-スト達だったので、当然最初に高位カ-ストの口に入る。

 それが、紀元前5世紀ごろになると、ジャイナ教と仏教が勢力を伸ばし始め、これらの宗教は不殺生を標榜し、動物供犠や屠殺を非難して低位カーストの支持を集めた。その後9世紀にわたってヒンドゥ-教と不殺生宗教の抗争は続いた。その後、インドにおいてはヒンドゥ-教が勝利。抗争の過程でヒンドゥ-教側も牛の保護者を標榜するように変質。非殺生の教義を取り入れ、このころから食べなくなった、らしい。

牛を食べない歴史で、法律で規定された時代

 ネパ-ル政府は、牛を殺傷禁止する法律のネパ-ル刑法とネパ-ル牛保護法で下記のように取り締まった。

 1990年ごろからのネパ-ル民主化は、1994年ごろにこの法律を廃止した。

ネパ-ル刑法第4条第7

 神聖なる牛を保護する目的による牛保護法を制定する。                  

ネパ-ル牛保護法

 〇 病気牛の治療を目的とした場合のみ、牛身に於ける採血・手術が認められる。

 〇 殺牛の意思を抱き、且つ行動に移ろうとしている者を制止しなければならない。 この場合は救牛のため適切と見做された場合は、悪徒を殺害しても殺人罪とはならない。

 〇 牛にけがをさせ、その牛が21日以内に死亡した場合には、殺牛と見做される。その他の場合は傷牛と見做される。

 〇 作物、果物、野菜類を牛に喰い荒らされても、牛を打ったりケガをさせてはならない。その場合は最寄りの警察署へ届けて牛主に対して損害賠償を請求できる。

 〇 種牛、老牛、生殖不能牛を国外に売った者は、一頭100RSルピ-以下の罰金に処せられる。

 〇 殺牛した者は懲役12年、それを教唆又はほう助した者は懲役6年に処せられる。

 〇 殺牛を目的に牛に毒を与えた者は懲役6年、又はこれを教唆した者は懲役3年、但し牛が死亡した場合は殺牛と見做される。

 〇 牛を打ち出血させた場合は200RSルピ-以下の罰金、骨折させた場合は懲役2年に処せられる。

 〇 この規定の時効期限は、殺牛6ケ月、傷牛は35日間とする。

  • 新たに牛を道路に放し飼いすることを禁止する法律が制定。

 

それでは、ネパ-ルの牛と水牛やゾッキヨの写真を見てみる

ネパ-ルの牛

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エベレスト街道 ルクラ村の農耕牛

一家で耕す

一番左のお母さんの背にはドッコ籠の中に赤ちゃん

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ネパ-ルの水牛

ネパ-ルで見かける役牛のほとんどは水牛 農家やウシポ-タ-だ

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ネパ-ルのゾッキヨ 水牛とヤクのあいの子

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トレッキングや登山のキャラバンでは、牛属が来たら山側に避難

谷川にいて、谷底に落とされる事故が多発

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吊り橋をトレツカ-と行き交うゾッキョ

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