ネパ－ルのバザ－ル　第４７回

ネパ－ルのバザ－ル・商店街・商売　四十七目
６．カトマンドゥ市内・タメ－ル地区のバザ－ル　その１４
ナン焼きとナン・レストラン、バザ－ル

　タメ－ル地区にあるナンとカレ－のインド料理レストラン。
　カトマンドゥの中心街にある、外人街町のタメ－ル地区。
　東西南北の直径５００ｍ内に、ホテルやレストラン・お土産屋が犇めき合う中に、店先の窯でナンを焼くインド人。
　わたしが見廻したところでは、タメ－ル地区にただ一軒の純インド・レストラン。
　店先で粉からインドカレ－用のナンを作り、店先の大きなナン用の窯で、ナンを焼く風景に出会える。
　なかなかインド人を見かけないネパ－ルでは、自転車で野菜や果物売りのインド人。そして、ここのナンを焼いているインド人。
　インドを旅行していると、ほとんどのレストランではカレ－を注文すると、「ナンにしますかライスですか」と聞かれる。これが、ネパ－ルのレストランでは様変わり、わたしがカトマンドゥのレストランで分かったのは２軒のレストランだけが同様だった。　ほとんどのレストランは、ライスとナンの選択がなく、ライスのみ。
ネパ－ル人とインド人は国境出入り自由
　わたしは、ネパ－ルからインドの国境越えが３回。その時に分かったことは、ネパ－ル人とインド人は、国境のイミグレ－ションでビザ（査証）などの手続きをせずに自由に行き来してた。確かにネパ－ルの南側の全てがインドの国境に接していて、そこに線を引いているわけでも壁があるわけもなく、国境付近に住む人々は隣の異国人たちと自由に近所付き合いをしているのだろう。
ネパ－ルのインド人との関係やヒンドゥ教について
　ネパ－ルに住むネパ－ル人は、大まかに３種族。まず、元々ネパ－ルに住んでいる民族は、カトマンドゥ盆地を中心のネワ－ル族や、タライ平野の世界自然遺産めチトワン地方に住むタル－族など、のネパ－ル系ネパ－ル人。
　次に、国境のインド側からネパ－ルに入ってきたインド系ネパ－ル人。
　最後に、これも国境のヒマラヤ越えのチベットからネパ－ルに入ってきた、チベット系ネパ－ル人。
　インドとチベットからは、それぞれヒンドゥ－教とチベット仏教を持ち込んでいる。現在のネパ－ルは、ヒンドゥ－教徒が７９％で、チベット仏教徒は人口の１０％。
ヒンドウ－教のカ－スト
　紀元数世紀ころ、インドの小王様が、インド国内の小国同士の戦いに敗れ、ネパ－ルに逃避したり、がインド人のネパ－ルへの入国の始まり、と言われていて。
　この時にインド人の信仰のヒンドゥ－教を持ち込むのだが、ヒンドゥ－教のカ－スト制度をネパ－ルに根付かせたプロセスがあった。インドの王様や貴族階級はカ－ストの最高位カ－ストだったので、ネパ－ル地域でも最高位を保持するため、ネパ－ル原住民のネワ－ル族と交渉。
　ネワ－ル族にもインドの最高位カスト－の地位を提案。
ネパ－ルのヒンドゥ－教・カ－スト制度
　ネパ－ルのカ－ストの説明は少し難しい。
　それは、世襲的身分を共有する集団の社会的多集団（カ－スト）からなる厳格な階層性のこと。
　ネパ－ルカ－ストの最高位カ－ストは、ブラ－マンとネワ－ル。ブラ－マンはインド系ネパ－ル人。ネワ－ルはカトマンドゥに住むネパ－ル原住民。このブラ－マンとネワ－ルの男の純粋性を守るのがカ－スト制度の本意。富と権力と名誉の全てがこの上位カ－ストに集中する。男尊女卑の典型で、男は神様、女は奴隷、なのだ。
　最上級カ－ストを厳格に守る方法は、結婚相手を自分のカ－スト内部だけで見つけるひとつの内婚集団制で、それぞれのカ－ストは固有の職業を持つ。
　そして、生まれつきのカ－ストは終生変わらない。私がヒンドゥ－教徒になりたいと思っても、父母がヒンデゥ－教徒でなければなれない仕組みで、改宗教ができない。父母の職業以外の職種に就くことも叶わない。１９９０年ころから始まった民主化以前のネパ－ルでは、これらは厳格に守らなければならず、法律で規定され罰則規定まであった。