koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

ネパ-ルのバザ-ル 第120回

ネパ-ルのバザ-ル・商店街・商売 第百二十回目
12、ネパ-ル西部地域のバザ-ル 第28回
ムグリン村のロキシ-造り

 ネパ-ルの首都カトマンドゥの西方、ネパ-ル西部地方のバザ-ル写真は28回目。
 カトマンドゥから西の150kmのポカラに向かう途中の、ヒマラヤ源流から流れ下るマルシヤンディ川が、その下流の大河に交わる所のムグリン村。水力の大きな発電所のあるムグリン村で、一軒の農家がロキシ-を作っていた。
ネパ-ルの地酒・ロキシ-
 ネパ-ルの地酒ロキシ-は、以前のネパ-ルではどこの家庭でも作られていたらしい。ようするに、家庭酒。
 穀物を原料として、蒸留して完成。
 原料は、ヒエや米・トウモロコシなどだが、ヒエが一番多いようだ。
 ここの写真は、ヒエを醗酵させたものを、蒸留器で沸騰・冷却した最終段階のもの。
 蒸留器は、一番下段に最高でアルコ-ル40度くらいにしたものを入れる器、その上の上の上段には、沸騰させ水蒸気を冷却させる水の入った器。中段にはその上の冷却器に付いた水蒸気が、冷めた水状のロキシ-を溜める器。
 この上中下の3つの器の間には、隙間ができる。
蒸留器3個の間の隙間を埋めるものは、何だ
 さて、問題の解答。それは、牛の糞。
 牛の糞には、大腸菌などの人間に悪い影響を与えるものが無いのだろうか。昔のネパ-ルでは、最上位カ-ストの家の一階で牛を飼っていた。二階に住んでいた一家の台所の床の掃除に、一階の牛の糞を塗ってい、のだ。確かに、牛の糞は草の匂いで、他の肉食動物の様な、いわゆる便の匂いはしなく、青臭い良い匂いなのだ。 ネパ-ルでは、牛の糞は乾燥して焚き木の代わりに燃やしているし。
 この乾燥する前の水ッぽい牛の糞を、器と器の隙間に張り付けて埋める。ようするに、器と器の間から、水蒸気となったお酒を外に逃がさないように、隙間を埋めるのに使われる。
ネパ-ルの三大家庭酒
 ネパ-ルには、ロキシ-のお酒以外にも、チャンやトゥンバと呼ばれるお酒が、各家庭で作られていた。「いた」と過去形なのは、現在ではほとんど造られていな いから。
チャンは、米ご飯や麦を炊き、それに少しの水と麹を入れて、醗酵させたお酒。日本のどぶろく(濁り酒)と同じ。そのまま飲むので、後から入れる水や保管方法に日本人のお腹に合わないこともある。30分後には下痢が始まるので要注意だ。
 トゥンバのお酒は、ロキシ-と同様にヒエに麹を入れて醗酵させた家庭酒。チベツト系民族酒と言われたりしているが、ネパ-ルでは東部のビラトナガ-ル地方周辺が、美味しいトゥンバの産地として知られている。
 ネパ-ル東部は、カンチェンジュンガ峰8,586mが聳える地方で、その麓のタブレジュン村や紅茶栽培地イラム地方なども、トゥンバが家庭酒として造られている。
 このトウンバ酒、アワそのものを特別な飲む器に入れて、アワを飲み込まないようにストロ-で飲むお酒。お酒を飲むとアワが器に残り、ここにお湯を注いでつぎ足すと、残っているアルコ-ルとお酒が、少し薄まるが3回は注いで飲める。
 トゥンバも、作りての上手下手があり、上手な造り人が作ると、アルコ-ル40度に近くて直ぐに酔っぱらうので注意。

ムグリン村のロキシ-蒸留中
一番下で火を燃やす

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ネパ-ルのレストランでお酒、トゥンバ
トゥンバはお湯を注いでストロ-で飲む。お湯は3回くらいまではアルコ-ルが無くならない

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ヒエやアワにストロ-をさして

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