ネパ-ルの王宮と寺院(仏塔) 二百十二回目
カトマンドゥ盆地の寺院と仏塔
18.ドゥリケル町の寺院 2回目ドゥリケル町手前のシヴァ神像
前回は、ドゥリケル町の寺院の写真第1回目を見た。
今回は、バクタプルからアルニコ・ハイウエ-を通って、ドゥリケルに入る少し手前にあるシヴァ神の像。
道路脇に子供が喜びそうな遊園地が現れる。すると、その上部の段々畑の上に、巨大な神像が出現。
これがシヴァ神像。石造なのか銅像なのか、プラスチックではないだろう。
日本には、奈良の大仏やら、札幌にも南区に数十m・百mに近い涅槃仏像があるが、ネパ-ルにあって単体のシヴァ神像としては、たぶん世界最大の大きさ、高さは43m。
ヒンドゥ-教の三大神様は、ブラフマ-神とヴィシュヌ神、そしてシヴァ神。
インドのサンスクリット語ではシヴァ神を शिव 。「シヴァ」のシは、内にすべてを擁するもの、の意味で、ヴァは優雅さを体現する物、の意味らしい。
紀元前10世紀前、もう3,000年前の記述にシヴァ神が出て、紀元前1世紀~2世紀のクシャ-ナ朝の貨幣の金貨に姿が彫られている程の、大昔にヒンドゥ-教があった。たぶん、クシャ-ナ朝は現在のインドなのだろう。
シヴァ神は破壊の神様だけれど、再生の神でもある。
偶像の容姿は、第三の目を持ち、常に首に蛇をまき、芸術の守護神。
シヴァ神の奥さんはパ-ルヴァティ-女神。この夫婦、日頃は中国のチベット西側にあるカイラカ峰に住んでいる。パ-ルヴァティ-神は山の神で、ヒマラヤ山脈を守っている。この夫婦の息子には、学問の神で顔が象のガネ-シャ神がいる。
チベット語でカン・リンボチェと呼ぶカイラス山の標高は6,656m。山の形が男の性器に似ているらしい。ここら辺から、シヴァ神と男性器が信仰の対象と考えられる。
シヴァは人と同じ姿が多いが、他にヒンドゥ-教徒の信仰の対象として、「リンガ」という形になっている。
リンガ
シヴァの信仰の姿がリンガ。
リンガの姿は誰にでもわかる。ネパ-ルでは石造りが多く、男のシンボルそのもの。
わたしはネパ-ルで生活を始めてもう12年。多くの友人を観光地などに案内している、が、特に女性から尋ねられると困る。カトマンドゥなどの世界遺産や文化財の、王宮や寺院を巡って案内している最中に、リンガを「これは何」と質問される。本当に返答に困る。
ネパ-ルの寺院は多く、ほとんどの寺院にこの「リンガ」が祀られ、老若男女が熱心にお詣りする。質問の答えとして、男性のおちんちん、とはなかなか説明ができないでいる。それも、男女の性器がセットになっている。
円柱がそそり立つ姿で、どこの寺院にもあるのがこの円柱のリンガ、ヨ-ニと呼ばれる注ぎ口の付いた円盤の形をしたその真ん中から垂直にそそり立つ。
このヨ-ニはシャクティ女神を象徴化したもの。ようするに男女の性器が重なったものが、どこにでもある。
どうして奥さんのパ-ルヴァティ-女神の性器でなく、妻以外の他の女神のシャクティ女神なのか。誰か分かる人がいれば、教えてほしい。
ドゥリケル町手前のシヴァ神像
道路脇のシヴァ神のある下方に遊園地
リンガとヨ-ニ・パシュパティナ-ト寺院広場
リンガとヨ-ニ、隣にシヴァ神の乗り物の牡牛ナンディ・パシュパティナ-ト寺院広場
シヴァ神とその左側に奥さんヴァティ-女神と象の顔の息子ガネ-シャ神・パシュパティナ-ト寺院広場
シヴァ神 後ろに乗り物の牡牛ナンディ・カトマンド王宮広場
リンガをお参り、ここにもシヴァの乗り物のナンディ・カトマンドゥのメイピ-神社