koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

ネパ-ルの借家

ネパ-ルのフラット生活(ネパ-ル暮らし雑感)

借家前の空地でバンブ-・スイング その2回目

 

 前々回、私のネパ-ルでの借家前の空地で、バンブ-・スイング造りが行われている様子を写真で見た。

 毎年お祭りの時に、空き地を利用してブランコが造られる。近所の多くの子供達が、待ちわびたように集まって、一日中バンブ-・スイングを楽しむ様子が見られる。

 

カトマンドゥ市内から車で2時間 ヒマラヤ展望のナガルコットのバンブ-・スイング

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カトマンドゥ市内ラジンパット地域、私の借家の前の空地にバンブ-・スイング作り

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近所の子供・大人・家族でブランコ遊び

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借家の屋上からバンブ-・スイングで遊ぶ子供達

ここの草地は牛のえさ場

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ネパ-ル サガルマ-タ8,848m単独登山禁止

エベレスト8,848mが単独行禁止

 ネパ-ル観光省登山局は、2017年12月30日に世界最高峰サガルマ-タ8,848mの、単独登山禁止を発表した。

 2018年からエベレストのネパ-ル側、ただ一人で登る単独行が禁止される。この単独登山禁止事項は、ネパ-ルヒマラヤ全ての山に適応されることになった。ネパ-ル政府閣議決定されたのだろう。

 

このネパ-ル登山規則改定は、昨年の8月から予告されていた。

 わたしの友人で、ネパ-ルに1970年代から住んでいる一家のホ-ムペ-ジに、昨年8月と12月に書かれていた。登山規則改定は10項目に及び、単独登山者の登山申請禁止や両足のない身体障害者の登山禁止など。

 昨年8月には5項目が予定が記されていた。 1.ガイド等を伴わない単独登山の禁止。 2.全盲や義足など障害のある人々の安全確保のために原則登山禁止。 3.75歳以上の登山者の登山禁止。 4.8千M峰を登山する登山者は、7千M峰登山経験をもつこと。 5.ヘリコプタ-は登山用品を運ぶことに限定、レスキユ-ヘリ以外のベ-スキャンプ以上の飛行禁止。等々。

 

エベレスト単独登山禁止の影響は、プロ登山者の論争必死

 ネパ-ル政府のサガルマ-タ8,848M峰単独登山禁止は、世界の登山愛好者にどのような影響があるのだろうか。

 ヒマラヤ登山を志すプロの登山者は、8千M峰の無酸素単独登山が究極の登山表現方法。プロ登山者にとっては、自分の登山アイディンテティがなくなるのも同然。

 8千M峰は世界に14座。そのうち10座がネパ-ル国に鎮座している。ネパ-ルヒマラヤ登山の単独登山禁止処置は、プロ登山者の反発必至。

 

ネパ-ル政府は、2017年春のプロ登山者の滑落死を重視か

 2017年4月29日、スイス人ウエリ・ステクさんが単独3山登頂を目指し、ヌプチェ登山中に滑落死。スイス人ウエリ・ステクさんは、数々の世界の極限登攀を成功させ、世界的最強登山家と云われていた。

 4月29日、無酸素単独で、ヌプッチェ7,879Mとエベレスト西稜を登攀し、東南稜下降しロ-チェ8,518Mの3山縦走を目指していた。

 世界の登山界やプロクライマ-間では、世界的登攀記録に挑んだ末の滑落死に、どのような反応を提示するのか。

 ネパ-ル政府は、この単独無酸素の大記録の目の前にした滑落死を重視したのだろうか。プロと称する登山者の、危険性を無視した無謀登山と認定したのだろうか。

 登山の対象とする登攀は、もう人類の限界を超えてしまっているのだろうか。それでも挑戦する人類の好奇心や向上心を、ネパ-ルの登山規則が待ったをかけた、とわたしは感じている。

人命重視が第一か、人類の挑戦こそが人類の前進か、あなたはどうする。 

 

サガルマ-タ・エヘベレスト 8,848M

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左・エベレスト  右・ロ-ツェ 8,518M

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ダウラギリⅠ峰 8,167M

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アンナプルナⅠ峰 8,091M

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ネパ-ルの借家  第12回

ネパ-ルのフラット探し (ネパ-ル暮らし雑感) その十二回目

ネパ-ルの借家前の空地にバンブ-・スイング

ネパ-ルのブランコ

 

 前々回は、ネパ-ルの泥棒について記した。ネパ-ルの借家のフラットに泥棒が入った。そして、カトマンドゥ盆地内のティミ村へ行く途中の路線バスで、スリを見つけて撃退した。

 今回は、ネパ-ルのカトマンドゥ市内ラジンパト地域、わたしが借りている借家前の空地の草地に作られるバンブ-・スイングを写真で見てみる。

ネパ-ルでバンブ-・スイングと云われるのは、日本のブランコ。

 カトマンドゥ市内には、子供達が遊ぶ公園がない。ゆえに、子供たちが後援でブランコで遊ぶ様子を見ない。日本の街の公園には、必ずあるブランコ。この日本のブランコは、ネパ-ルではお祭りの時に、あちこちの空地に大竹を組んで造られる。

 

ネパ-ル祭りにバンブ-・スイング

 まず、お祭りが近づくと、青年達数人が大竹数本とロ-プ持参で現れる。このバンブ-・スイング政策青年組は、わたしが考えるには、空き地周辺の町内会の依頼で来るのだろう。

青年達組は早速土を掘り、大竹を組み合わせて、半日くらいでブランコを作ってしまう。

 そして、このブランコ、お祭りが終わって数日後に解体される。ネパ-ルのお祭りは、次から次と一年間に10お祭りくらいあるだろうか。バンブ-・スイングが造られるお祭りの次の祭りが近い場合は、次の祭りが終わってから解体する。

 ネパ-ルのブランコは、大竹4本を組んで、その上側からロ-プを垂らして、その下に座る板が付けられる。

 わたしがバンブ-・スイング作りを見ていると、なんと竹に登る人の重みで、竹が大きな音を立てて割れてしまった。立てかけた竹の上部に居たその人は、危うく落ちて叩き付けられるところを、飛び降りて無事だった。ばりバリばり、と危ういところ。命がけのバンブ-・スイングだ。運動神経の良い若者達だから無事故でできるのだろう。

 

借家の奥時用から、空き地に作られバンブ-・スイング

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バンブ-・スイング制作の準備OK

なぜかヤギが一頭

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まず長い竹を四本

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太いロ-プ

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近所の子供たちが待ち遠しく眺める 親子で集まる

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バンブ-・スイング完成

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ネパ-ルの借家  第11回

ネパ-ルのフラット探し (ネパ-ル暮らし雑感) その十一回目

ネパ-ルの泥棒・ドロボ-

 

前々回と前回は、ネパ-ルの水道事情と電気事情を写真で見た。

わたしは10年前からネパ-ルの首都カトマンドゥで、借家のフラット暮らしをしている。

 ネパ-ル生活は、よく諺に゛郷に入れば郷に従え゛と云われるが、ここネパ-ルでは、水と電気が普通でない。楽しい生活のためには、従いたくない

 

カトマンドゥの水道や電気に次いで

ネパ-ルの泥棒とスリ

 わたしは日本での水道や電気に関しては、公共に属していて、在ってあたりまえと生活していた。それが、最初にヒマラヤ登山でネパ-ルを訪れた1981年から、飲んではいけない水道水だった。そして、訪れる都度にますます悪化する電気事情。電気の停電時間が長くなるのだ。乾季の雨の少ない季節には、電気は一日10時間を超える停電になる。それも明かりが必要な夜間の停電には閉口しロ-ソク生活だ。お腹の病気になる水道水。それも一週間に数時間しか水道がこない。

 日本がネパ-ル状態なら、水道局責任者や電力会社の社長は、即刻退職に追い込まれる事態。勿論関係する国の機関や政治家なども、その責任を果たせない理由で辞めるだろう。

 

今回は、ネパ-ルの泥棒とスリの話。

 カトマンドゥの借家生活から、札幌に戻って二日目。フラットの大家さんから国際電話が来た。「昨日、小山さんの部屋に泥棒が入った。今カトマンドゥ警察が来てる。部屋にお金を置いてあるか」とのこと。

 幸いにも、小銭の一RSや二RSネピ-硬貨を小銭入れに入れて部屋の引き出しに入れてきただけだった。持参したパソコンなどは帰国時に持ち帰っていた。ただパソコンと同時に使用していたキャノンのプリンタ-わ机の上に置いてある。家具付きのフラットなので、大家さんの家具類はある。

 今回の泥棒は、お金目的だったようで、次回にフラットを訪れて見まわした時は、何も盗られていなかった。

 わたしが生活していたのは、3階建の一階フラット。一階部分の窓には、全ての窓枠に鉄格子が組まれている。この鉄製の格子枠はドライバ-ではずせる。現在のネパ-ルでは、プラス釘はなく、マイナスドライバ-使用のマイナス釘。わたしの借家の窓枠鉄格子もマイナスドライバ-ではずしていた。大家さんの電話の話では、泥棒は夜間に入ったらしい。

 

ネパ-ル人は、遠くも見えるし、夜間も見える

 わたしの生活しているフラットに、盗みに入った泥棒は、夜の暗い中でマイナスドライバ-で10本以上の釘を引き抜いていた。夜の闇でも、ネパ-ル人は見えることを証明している。

 わたしは、夜にカトマンドゥの裏通りをよく歩いている。それは、大通りは車の排気ガスで体に良くない理由から。それで、夕食の帰りはいつも真っ暗闇の裏通りを歩く。懐中電灯で足元を照らしながら歩くのだが、たま-に真っ暗闇の道を歩いていると、直ぐ横を自転車がビユ-ンと通り過ぎる。ネパ-ル人は夜の闇夜でも見えている証拠。夜でも見えるのだから、わたしはネパ-ルで電灯の付いた自転車を見たことがない。

 1985年に、わたしの一家は3週間のネパ-ル・アンナプルナトレッキングをしたことがある。この時に、ネパ-ル人の目の良さに驚かされた。トレッキング最終日、尾根から一気に川までの下りだった。途中、下り坂の全てが段々畑になっていて、その畑を縫うように道が下っている。小学生一年と四年の息子達が先行して歩いていた。行方不明状態だつたので心配していると、なんとネパ-ル人ガイドが、遥か下方を指さしてあそこに居ます。

 わたし達日本人には、どこに居るのかかいもく見当がつかなかった。この時に、ネパ-ル人の目の良さが分かった。

 

路線バスでスリを撃退

 わたしのフラットに泊まりがけでネパ-ル観光の、わたしのゲストが来てた。カトマンドゥ盆地の古い都市のティミ(Thimi)へ古いテンプルなどを見学に行く途中だった。家の近くからテンプ-(トゥクトゥク)に乗り、バスパ-クから路線バスに乗り換えて、一時間ほど。この路線バスでの出来事。

 バスはマイクロバスで、真ん中に出入り口のある形。後部に友人と一緒に座った。わたしが通路側。ネパ-ルの路線バスは時刻表がない。乗客がいっぱいになって、ようやく出発する。通路側のわたしは、小さなザックを背負い紐を前の座席に吊るしていた。すると、わたしの前に新聞が拡げられ、ザックが見えなくなった。何げないしぐさで新聞を広げていたので、その人の顔を見ると、なんと新聞を読んでいなく他の方角を観ていた。わたしは目の前に広げられた新聞を、何とはなしに除けてみた。すると、その新聞を持った人と、もう一人が後部から入口方向へ移動した。

 この後が問題。又新聞を持った男が新聞を拡げている。その男は、またまた新聞を読むでもなく、違う方向を観ていた。わたしが良く々見ていると、バスの出入り口近くに立っている女性のショルダ-バックが、拡げられた新聞の陰になっていた。その女性とバックの間に新聞がある関係。その時だった、わたしはスリと直感した。新聞を拡げてバックを隠した男と、その側に居たもう一人の男が、バックの中の物を盗むのだ。

 わたしは冷静だった。満員のバスの後部から、人をかき分けながら進んで、危うくスリ達に殴りかかる動作をした。ネパ-ル語でスリのことを、どう云うのか分からなかった。ので、無言でスリの二人に体当たりだった。

慌てたスリの二人。丁度停車中だったので、乗車賃を払わずに下車していった。

 

泥棒はガラスのむしろを越えて侵入

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お隣との境の塀には有刺鉄線と釘

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道路との境の塀は泥棒避様式けに

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どの家にも出入り口は厳重に

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塀の上には泥棒避けの釘

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一階の部屋 窓には鉄格子

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泥棒に盗まれなかったキャノンのプリンタ-

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ネパ-ルの借家  第10回

ネパ-ルのフラット探し (ネパ-ル暮らし雑感) その十回目

ネパ-ルの電気事情

 

 ネパ-ルの電気は、人口の多い都会では日本と変わらない。ただ一つ、日本と違うのは停電の時間が長く、毎日のように停電がある。

 外国から、発電所建設の援助の申し出があるらしいのだが、ネパ-ル議会の議員や政府の役人達が、電気に無関心のために実現しないらしいのだ。

 ネパ-ルの人達は、停電が一年中続く電気事情に不満はないのだろうか。ネパ-ルが130年間の鎖国政策を解いて開国したのが1950年、それから67年しか経っていない。一日の内の何時間かの通電だけでも良いのだろう。わたしは、ネパ-ル人の国や電力会社への不満の声を聞いたことが無い。

 

わたしなりにネパ-ルの停電に対処

 わたしは、10年前からネパ-ル暮らしを始めた。ネパ-ルに滞在中は、いやなことや嫌いなことはしない生活をしている。楽しい事のみのネパ-ル暮らしを求めているのだが、はたして夜に電気のない生活が楽しいだろうか。冷蔵庫・冷凍庫がただの箱で良いのだろうか。初めのうちは、ロ-ソクで明かりにしていた。そして、仕方なく次に自動車のバッテリ-を購入した。夜にはロ-ソクの明かりが隅から隅に届かず、小さな明かりだが自助防衛するしかない。

 2013年に、ようやく大家さんが、大きな自動車のバッテリ-を購入し、電気工事をした。

 わたしは一階のフラットに暮しているが、3階に入居のわたしの友人は、ソ-ラ-発電を始めた。

 

ネパ-ルの電線は家の数ほどの電線数

 ネパ-ルの都会で、電力会社の通電を受けている家は、日本と同様の電線の配線がなされている。けれども、日本の電線とは少し違う。

 何が違うか。日本では、元々の太い電線から、T字型でそこから細い電線で各家に配線されているが、ネパ-ルは違う。なんと、家の数だけ電線が配線されているのだ。大通りに配線された太い電線は日本と同じ。そこから、全ての家まで、家の数だけ別々の電線を敷いている。

 

電話線や有線放送の線も、家の数だけ配線されている

 電線と同様に、電話線や有線放送の線も家数だけ配線されているのだから、電信柱から電信柱間が見ものだ。

 ネパ-ルの電気事情は、わたしがネパ-ル生活を始めた10年前から、今日まで一切の変化もなく、相変わらずなのだ。

 

以下は、わたしのネパ-ルの友人のホ-ムペ-ジに2009年に掲載されていたもの 

国民の56%が電気の恩恵に
 日本等先進国では通常長時間の停電もよほど不測の事態がないかぎり起こりえないし、電力の普及率などは話題にもならないが、開発途上国ではインフラ整備のなかでも最も資金を必要とする電源開発は難しい課題である。
 ネパ-ル政府の生活標準調査( Living Standard Survey)2008年によれば、ここ5年間で電気の恩恵に浴する家庭が大幅に増え5年前の2003年には37.2%であったが2008年には56%になった。しかしながら、電力を管理するNEA(Nepal Electricity Authority 電力庁)によれば、依然として盗電、メーター改ざん、電気代の不払いが多く運営は困難をきわめているようである。

 

電力危機!

需要電力770MW-供給電力420MW=不足350MW
 2008年12月17日、ネパ-ル政府は閣議で”電力危機”を表明した。
 従来からネパ-ル政府は週40時間以上のおよぶ計画停電を実施しながら実際にはほとんど危機感を持った解消策を打ってこなかった。政治家の言う夢のごとき数十年先の計画は聞くには心地よいが実施機関である電力局のエキスパートは全く異なった現実的な評価をしており、これによればここ10年で電力の不足を解消する手立ては無いとしている。
 新しく発表された閣議決定の計画では2009年6月までに200MWの火力発電を運転開始するとのことであるが詳細は未定である。関係者の話によれば閣議決定は危機を意識したと言う点で歓迎できるが土地収用の問題、燃料の問題、肝心な資金の問題等解決されなければならない課題は山ほどあり到底実現不可能としている。
 今週からついに週45時間の停電になった。カトマンズ盆地では夕刻5時から8時、9時まで電気の灯っている地域は無い。世の中真っ暗闇だ!

 

ネパールの電力事情
 本来ならば雨季(6月から9月)は水力発電に頼っているネパールでは計画停電が無いはずであるが、今年は現在でも週30時間以上の停電が続いている。原因は何なのか、関係官庁の役人や政治家の話を聞いて見よう。
▲ NEA(Nepal Electricity Authority 電力局)
 計画停電はすぐには解消されない!!!
 NEA System Operation Department によれば、現在のような計画停電はすぐには解消する見込みはない。原因は幾つかあるが、第一番にはカタリヤ/ドハビ間の(インド・ネパール国境の地名)送電塔が8月の大洪水で倒壊した為、インドから購入している60MWの送電が途切れた事。第二番目にはクリカニ(ネパール国内の地名)ダムの貯水量が例年より25Mほど水位が低いこと。三番目にはネパールの発電所は流れ込み式で、これから乾期に向かう為水量が期待できないこと。そして最後に漏電、盗電の問題がある。およそ15%から25%が失われており早急な解決は難しい。
 残念ながら非常に悲観的である。
▲ 電源開発セカンド・トップ・プライオリテイ
 ネパ-ル大蔵省により議会に提案された2008/2009年度の予算では農業開発に続いて電源開発への予算が多く配分されている。首相を委員長とする電源開発委員会によればこの10年で10,000MWの発電を実現するとのことである。
 列挙すれば

 

1.

Upper Tamakoshi

456MW

 

2.

Upper Trishuli-A

60MW

 

3.

Rahughat

30MW

 

4.

Naumure

245MW

合計791MWの建設は本年度中に始まる。
同時に

 

1.

Upper Trishuli-B

30MW

 

2.

Tamor-Mewa

110MW

 

3.

Upper-Seti

127MW

 

4.

Dudhukoshi

300MW

 

5.

Tamakoshi 2&3

500MW

 

6.

West-Seti

750MW

合計1,827MWの建設が始まるだろう。
しかしながら、いずれのプロジェクトも明確に発電開始の時期は明記されていない。
▲ 環境アセスメント(EIA)調査は不要
 政府は民間からの電源開発投資に対する規制を大幅に緩和しているが、この中で環境調査が従来大きな障害となって民間からの投資が無かったことを受けて50MW規模までの電源開発にはEIA(Environment Impact Assessment)は免除されることになったが、専門家はこれは環境問題への深刻な挑戦であると述べている。
▲ 計画停電スケジュール
 カトマンズを中心に7つグループに分けて停電は実施されている。 その一つの地域の場合。

 

日曜日

15:00~18:30

17:30~20:30

 

月曜日

07:30~09:30

 

 

火曜日

05:00~07:00

16:00~19:00

 

水曜日

13:00~16:00

 

 

木曜日

07:00~10:00

17:45~21:15

 

金曜日

06:00~08:00

18:00~21:00

 

土曜日

10:00~13:00

 

 

 ネパールの電力事情 ”どうなる電力不足”
 電力の不足はネパ-ル産業界のみならず一般市民生活に多大の苦難を強いているが、政治家がアドバルーンを揚げているように簡単には解決しそうもない問題のようである。
 幸いなことにJICAの電力開発専門家である尾崎行義氏がネパール政府水資源省のNEA(Nepal Electricity Auhtority)に電力開発で勤務しておられるのでお話しを伺い、かつ専門家としてのご意見を寄稿して頂いた。資料とあわせて参考にして頂きたい。

尾崎行義(日本JICA派遣電力開発専門家)
 本紙面をお借りしてネパールの電力事情についてお話させて頂きます。
 現在河川流量の多い雨季にも係わらず、週31時間の計画停電を強いられていますが、迫り来る乾季にどうなるかのか、数年先にはどう予測されるのかについてお話いたします。
1. はじめに
 ネパールの全ての河川(6,000以上)は大河ガンジス川
   1.流域面積 1,083,000km2
   2.流域延長 2,500km
   3.平均流量 14,300m3/s
流入し、その河川流量の4割以上(乾季には7割以上)をネパールから流下する河川が占めている。まさに”聖なるガンジス”の源であります。
 これら河川が生み出す”白い石炭”あるいは”白い石油”と称せられる水資源の発電ポテンシャル(包蔵水力)は83,000MW、そのうち技術的、経済的に開発可能な包蔵水力は42,000MWと言われているが、今までに開発された水力発電設備は564MW(但し総発電設備力はデイーゼルを含めて617MW)にすぎず、残り90%以上が未開発(未利用)の状態にある。
 昨今クリーン・エネルギーである水力発電は世界的に見直されており、ネパールの水力開発も地球温暖化対策の一環として注目されている。

2. ネパールと南アジア諸国の電力事情比較
 表-南アジア諸国の主な電力統計指標は、(社)海外電力調査会が2006年末現在の南アジア諸国の電力状況をまとめたものである。
 2006年末時点の総発電設備容量は616MWにすぎず、これは最新鋭の原子力発電所あるいは大型火力発電所の一基(1,000MW~1,300MW)分にも満たない設備容量である。これら発電所で発生した電気は約800万人に供給され、残り約1,800万人は未だに電気の恩恵に浴せずケロシンランプや薪に依存した生活を強いられている。
 ネパールには小規模の火力発電所ディーゼル)がヘトウダとビラトナガール近郊にあるがこれら2箇所の発電所は緊急時一時的に運転されるのみで、年間を通した発生電力量からみると100%水力発電に依存していると言っても過言ではない。ネパール政府は今後とも貴重な水資源を有効活用する水力発電開発を唯一の政策目標として掲げている。
 他の南アジア諸国の電力状況と比較すると一人当たりの消費(販売)電力量が最も少なく、また電化率(30%)も南アジア諸国の中で最低ランクに位置しており、ありあまる包蔵水力を有しながら最も電化の遅れた(言い換えれば、経済活動の不活発な)国であることが分かる。
 一方、平均販売単価を見るとネパールが最も電気料金が高く、インドの1.17倍、バングラデッシュの1.55倍、ブータンの3.34倍の電気料金単価が設定されている。これは、

 

総発電量の三分の一を占めるIPP(独立発電業者ー民間投資者)からの購入単価が高い。

 

外国からの資金援助(通常1%前後の金利)を受ける場合、ネパールは借り手であるNEA(Nepal Elictricity Authority)に対し2ステップローン(現在は8%)を適用している。

 

小規模発電所が山間僻地に点在しスケールメリットが無い。

 などの理由によるものである。
 参考までに、ネパールの主な発電所の位置を示しておく。なお、図中のMiddle Marsyangdi(70MW) ,Chanmelia(30MW), KUlekhani Ⅲ(14MW) は現在建設中の発電所である。
3. 今後の需給バランス予測
 2007/08年度の最大ピーク需要は2007年12月31日に発生し、約720MWであった。過去のピーク需要も冬期の12月あるいは1月に発生しており、年8.9%の実績伸び率を示している。NEAの電力需要予測によると、今後10年間で年率9~10%の需要増が見込まれており、2011/12年度には1,000MW、2019/20年度で2,000MWを超えるピーク需要が想定される。
 一方、供給サイドの発電設備能力は2007年12月31日現在で総計551MW(当日の発電設備出力:450MW、インドからの電力輸入:101MW)であり、ピーク需要720MWとの差169MWが供給電力不足となり、Load Shedding(計画停電)を行っている。2007/08年度の停電時間は最大48時間/週であった。
 現在建設中の主な発電所は、Middle Marsyangdi(70MW,2008/09年完成予定)、Chamelia(30MW、2011/12年完成予定)とKulekhani III(14MW、2011/12年完成予定)の3地点のみであり、2011/12年現在での供給可能設備出力は小規模IPPによる発電およびインドからの電力輸入を合わせても710MW程度と予想され、ピーク需要1,057MWに遠く及ばず、その差344MW分は計画停電を余儀なくされる(停電時間が長くなる)こととなろう。
 その後Upper Trishuli 3A(60MW)、Upper Tamakoshi(309MW)、Upper Seti(127MW)、等NEAが現在計画中のプロジェクトやインドなどの民間企業が開発しようとしているArun III(402MWうち、ネパール分88MW)、Upper Karnali(300MWうち、ネパール分36MW)、West Seti(750MWうち、ネパール分75MW)、等BOOT(あるいはIPP)プロジェクトが計画通り順調に完成すれば、2014/15年頃には深刻な電力不足も相当解消されるもと期待される。

 図-Power Demand and Supply Balanceは各年毎の電力需要と供給可能力の推移を予測したものであり、需要曲線と供給曲線の開きがすなわち電力不足(計画停電)分となる。開きが大きくなる程、電力不足が深刻化する。(今後、2012/13年にかけ年々その深刻さが増す)ことを示している。また、図-主な水力発電予定地(大規模水力計画を含む)は2016/17年頃までに完成が着たいされるプロジェクトサイト、出力、完成予想年を示す(白抜き地点を除く)。
おわりに
 結論として、以下のことが予想されます。

 

今年の暮れから例年にかけての乾期は、ほぼ07/08年と同程度の電力不足(計画停電)になる。

 

その後、09/10年から12/13年にかけ、電力不足がその激しさを増す(年々、停電時間が長くなる)。

 

現在計画されているプロジェクトが順調に進めば、13/14年以降の電力不足は相当解消する。

 最後に、先日”プラチャンダ”首相がインドを訪問した際、今後10年間で10,000MWの水力開発を行う旨の発言をしている。ネパールの貧困削減、経済発展の原動力としてこの世界で数少ない豊かな包蔵水力(クリーンエネルギー)を大いに活用されんことを期待してやまない。

 

ネパ-ルの名物 数十本の電線

 

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ネパ-ルの借家  第9回

ネパ-ルのフラット探し (ネパ-ル暮らし雑感) その九回目

カトマンドゥの水道事情

 

 前回は、わたしがネパ-ルのカトマンドゥ市内にフラットを賃借し、そのフラットに私のゲストや、ネパ-ルヒマラヤの北壁登攀で訪れるクライマ-が寝泊まりするのを、写真で見た。わたしの借りているフラットへは、多くのクライマ-が、カトマンドゥのベ-スキャンプに使用したことは、次回以降にも紹介する。

今回はネパ-ルの借家の、水道や電気の情況を見てみたい。

 

カトマンドゥの水道事情

 ネパ-ルの首都カトマンドゥの水道事情は、極端なひどい状況になっている。公共施設の水道は、一週間で2日か3日しか水道水が来ない。それも一日の内2時間~3時間くらいしか来ないのだ。

 多くの家庭では、この水道水を奪い合う。この水道水奪い合い合戦に敗れた家は、タンクロ-リ-で水を購入することになる。

 一日の内2時間~3時間しか来ない水道水を奪い合う様子は、まず、水道管にモ-タ-を付けて、強制的に吸い上げる。こうしないと、他の家の吸い上げに負けれことになる。多くの家がモ-タ-で強く吸い上げるのだから大変。

 そして、もう一つ大事がある。ほとんど水道管に水道水が流れないのだから、流れていない間が問題になっている。カトマンドゥ市内の水道管の設置から年月が経過している。要するに水道管が古くなっている。そうするとどうなるか、日本の水道施設では考えられないことが発生する。水道管にキズがついて漏水状態が日常化している。カトマンドゥ市内を歩いていると、あっちこっちで漏水の漏れた水が道路や橋の上に出ているのを見かける。この水道管のキズが問題を起こしている。

 水道管に水道水が流れていないことは、管内部の水圧がなく、逆に管外部の圧力に負けて管外から水道管内部に水分が入り込むことになる。下水が水道管に入り込んで、この下水が各家庭に水道水と混じって配水されるのだ。

 

下水の混じった水道水

 ネパ-ル人の、水道水の影響で病気の罹患率統計は出されていない。わたし達日本人が、カトマンドゥの水道水を飲むとどうなるか。事態は明白。例えば、わたしがカトマンドゥの水道水をそのまま飲んだとする。どうなるか。必ず数十分後、一時間後にはお腹が大変なことになる。口からは吐き、下痢になるのは間違いなく100%だ。

 ネパ-ルのレストランで出てくる水も問題。この水はミネラルウオ-タ-か、と尋ねると、そうだと答えたとしても、まだ問題だ。水のなかに浮かんでいる氷が問題なのだ。氷もミネラルウオ-タ-で作っているのかどうか。この氷が水道水なのだ。レストランのコップの水を信用してはいけない。

 

ネパ-ルのミネラルウオ-タ-

わたしは、ネパ-ル暮らしで、水はミネラルウオ-タ-を使用している。

 ネパ-ルでは、このミネラルウオ-タ-も大問題。わたしが日常的に使用しているミネラルウオ-タ-は、19リットル入り。その他に1Lや2L入りのミネラルウオ-タ-が販売されている。この1L・2Lのプラスチック入りミネラルウオ-タ-が信用できない。ネパ-ル政府の調査では、ほとんどのミネラルウオ-タ-が飲料に適しないと発表している。その中でも少数のミネラルウオ-タ-は大丈夫そうだ。わたしはこの1Lミネラルウオ-タ-を購入する時は、一番高い値段のを買うことにしている。

 19Lのミネラルウオ-タ-の値段は、容器のデポジット料が500RSルピ-。中身の水は65RSと90RS。1RSルピ-=1円。

 

カトマンズの給水の現状

以下は、わたしの友人のホ-ムペ-ジに掲載された2008年のカトマンドゥの水道事情
給水量の現状   

 カトマンズ都市部に給水している各給水システムの給水能力、配水量及び給水量の実績調査(NWSCの水道メーター台帳調べ)を基に推定されたカトマンズの給水量の状況は、表-1に示すとおりである。同表から、現在の家庭用原単位は、一人当たり1日約47リットルに留まっている。

 

飲料水は大丈夫か
 More Water,More Electricity、 NO More Ism!
 電力にも増して深刻なのは飲料水である。
 NWSC(Nepal Water Supply Corporation 水道公社)がマネージメントの失敗から、KUKL(kathmandu Upatyaka Khanepani Ltd カトマンズ盆地飲料水会社)に組織ごと移管されて3年たつが依然として状況は変わらない。
 夢物語の電力と同じで浄水もメラムチ・プロジェクトというカトマンズ盆地外のメラムチ川から26kmの導水トンネルを引いて17万トン/日の水を確保し盆地各所に貯水タンクを建設して配水ネットワークを再編するという計画であるが2001年完成の予定が7年間も遅れている。
 これから何年先にこの計画が完成するのか予測できないが、金のある市民は市内の給水業者からタンクローリー(6000リッター、1000ルピー以上)で 買ったり、自家用の井戸を掘ってるものも多いが、金の無い大部分は我慢するしか方法は無いようである。電気無く、水無く、本来は暴動でも起こりかねない状況であるが、ネパール人は我慢強い。
カトマンズ市内
     1. 2日に一時間から2時間給水
     2. 2日に2時間から3時間給水(カリマテイ地区)
     3. 2日に1時間給水 (バネソール地区)

お金持ちはタンクロ-リ-で水を確保

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カトマンドゥ市民の水汲み場 洗濯場 風呂場でもある

市内に何カ所かある

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わたしの借家の家の中のミネラルウオ-タ-

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