ネパ-ルの世界遺産
カトマンドゥ盆地世界文化遺産に匹敵するカトマンドゥ盆地内六ヶ所の寺院と仏塔の六回目、以下のカトマンドゥ盆地内の古い寺院や仏塔などを写真で見てみる。
①パナゥティ-
②ドゥリケル
③ティミ
④サク-
⑤ブダニ-ルカンタ
⑥キルティプル
今回は⑤ブダニ-ルカンタ Budhanilkantha
カトマンドゥの市街からラジンパット道路をフランス大使館や日本大使館・アメリカ大使館前を通り、リングロ-ドを横切って約10km。カトマンドゥ盆地を取り囲む山々のシヴァプリ山の麓のブラニルカンタ町に、大きな涅槃石像ヴィシュヌ神が横たわっている。
その石像、神の身体だけでも5mの大きさ。
聖水を満たしたプ-ルに、聖蛇の上で涅槃瞑想するヴィシュヌ神は7~8世紀の建立と云われている。
ヴィシュヌ神像の横たわる池には、他のヒンドゥ-教寺院と同様に、参拝するヒンドゥ-教徒しか入場できない。
ヴィシュヌ神、宇宙維持神で、ネパ-ルのヒンドゥ-教では、他の二神の宇宙創造神と宇宙破壊神を合わせた3神がある。
宇宙創造神はブラフマ-神 Brahma
宇宙維持神はヴィシュヌ神 Visnu
宇宙破壊神はシヴァ神 Shiva
ブダニ-ルカンタ寺院に横たわるヴィシュヌ神は、唇に紅を差している。美男子と云われているクリシュナ神や叙事詩ラ-マ-ヤナの主人公であるラ-マ王子は、このヴィシュヌ神の化身。ヴィシュヌ神のヘソからブラフマ-神と、額からシヴァ神が誕生している。胸にオッパイが無いので男神だろうが、誕生した神の母親神でもある。
ここのヴィシュヌ神は死後の世界を表す涅槃だが、他の場所や神像などは普通の生き神様。
死後の世界のブダニ-ルカンタ寺院、ネパ-ル国王は歴代誰として一度も参拝に訪れたことはない。さすが死の世界に、現実や希望を見出すことが宗教界でもないのであろうか。徳を積み重ねて得る輪廻転生世界のヒンドゥ-教でも。
ちなみに、ネパ-ルの国王制度は、ヒンドゥ-教と対の制度になっていた。その証拠をネパ-ル憲法条項を見てみる。
1990年ネパ-ル憲法
第5章 国王
第27条 (国王)
第1項 国王というのはプリテイビ・ナラヤン・シャハ大王の子孫でありアーリア文化とヒンズー教の信奉者である現に君臨する国王を意味する
現在の憲法は1990年前後から始まった民主化で、国王はただの一人の国民になり、国教のヒンドゥ-教も廃止されている。
このお寺、内部は他のヒンドゥ-教寺院と同様に写真撮影は禁止されている。
ブラニルカンタ町まで、街中のラジンパット道路を北に向かうトヨタ・ハイエ-スの乗合バスに乗り、片道20RSルピ-。
涅槃石像のヴィシュヌ神
普段身体を覆う布きれが洗濯されて干されている
これだけ身体を露わにしているのは珍しい