ネパ-ルの楽しいトレッキング その四十回目
エベレスト街道・トレッキング(ソルク-ンブヒマラヤ)
今回からネパ-ルのソルク-ンブヒマラヤ・トレッキングを多くの写真で見てみたい。世界のテッペン、エベレスト8848mは勿論、6千m峰7千m峰など、天を突く尖峰の数々を数百枚の写真で見てみたい。
山岳のトレッキングは、多くの人々が世界中を歩いている。日本でもNHKテレビで「日本のトレッキング100」を放映しているくらいだ。
世界中からトレッキングを目的で訪れる人達が一番多い地域が、ネパ-ルのソルク-ンブエリア。ネパ-ルの首都カトマンドゥから陸路で訪れる人は少ない。大多数の人々はカトマンドゥから35分のフライトで、ヒラリ-・テンジン空港へ降り立つ。飛行機に乗らずに陸路だと、標高の低い地域を約一週間歩く。そして飛行場のあるルクラへ到着する。フライトしで往復だと二週間の日程が節約になる。
登山やハイキングをしている人なら、一度は見たいエベレスト。エベレストはネパ-ルではサガルマ-タ。サガルマ-タ地域はネパ-ルのナショナルパ-クになっている。そして、国際連合の世界自然遺産に登録されている。
日本では国立公園だが、日本以外の「ナショナルパ-ク」の定義は少し違う。日本の国立公園では利用と保護の両方が定義づけの中にある。「利用と保護」と云う相反する定義を一緒にする疑義がいつもついて回る。ネパ-ルやアメリカなど他国の国立公園指定は、一定地域の保護が目的になっている。
日本以外の他の国との現実の違いを見てみると。例えばアメリカのヨセミテ国立公園と日本の相違点で見ると。ヨセミテ国立公園高所にあるキャンプ場のトイレは、ヘリコプタ-つり上げ式の便槽になっている。ヨセミテの全てのキャンプ場使用者は、トイレ以外の糞尿処理を禁止されている。日本の大雪山国立公園を見てみると、国立公園管理事務所はトイレの設置を管理不能を理由に認めていない。その為に登山者の糞尿は、いたる場所で行われ、高山植物に被害が出るに至った。日本のし尿処理の考え方は、札幌市内の大道公園や中島公園に、管理人の人件費が掛かるのでトイレを設置しない、と云ってる様なものだ。
日本の国や登山愛好者たちは、登山者のし尿を自然保護段階の知識や知見で取り扱っているのが一番いけないのかもしれない。アメリカでは、単純に糞尿処理を衛生問題と捕えていて、その解決にはお金も労力もかけるのである。日本では多くの人が利用する場所ではトイレを設置して管理も行われるが、利用者が登山者のみの少数だと設置されない。人間が生活する場所の衛生問題として捉えれば、利用者の多い少ないは関係ない事、と私は考えるのだが。
ナショナルパ-ク・国立公園の問題から、大分横道を歩き出してしまった。元に戻そう。
カトマンドゥからエベレスト街道のトレッキングに陸路でいくのか、またはフライトで行くのか。、今日までこの二週間の短縮のために、多くの命が高山病で失われている現実がある。ルクラの標高が2840mで、カトマンドゥを飛び立って午前中にルクラへ降り立つ。たいていのトレッカ-はすぐに歩き出す。そして、次の日には標高3440mに滞在するのである。カトマンドゥの低地から二日後には3440mなら、だいたい普通の人なら、3440mに着いたとたんに高度障害に襲われる。
高山病は、脳浮腫や肺水腫などが重篤になり、回復しない場合は死に至る。高度障害は個人差はあるが、一定の高度に達すると二日酔い程度の症状が現われる。高山病とは区別されるが、軽い高山病と考えると分かるだろか。
多くの人が死亡している、と書いたが、本当に多いのだ。信じられない程の多さだ。この文書の最初に、一生に一度はエベレストを観たいと書いた。楽しいはずのネパ-ルトレッキングでなければならない。登山隊が遭難したり事故で隊員が死亡したら、すぐにテレビや新聞報道されるのだが、わたしにはどういう訳か分からないがトレッカ-の死亡は報道されない。ネパ-ルでもこのエベレスト街道に限っては特述するほど、楽しさと悲しさが表裏になっている。
フライトを利用しないで陸路で歩けば、一日の標高差は少しになる。一気に2840mにはこれないので、高度順応が自然とできる。人間の赤血球・ヘモグロビンは、一週間から十日間くらいで、約二倍に増加する。3440mのナムチェバザ-ル町まで一週間から十日かけて歩けば、赤血球は二倍になる。ヘモグロビンは、呼吸した空気を肺から酸素を取り込んで血管から体内へ運ぶ。ヘモグロビンが二倍だから、二倍の酸素を運ぶことになる。高所の5500m位が、低地の約半分の気圧で、酸素も半減する。3440mの気圧の刺激では二倍までは増えないにしても、高山病に至ることはないのだ。
高度順応や高度障害・高山病に触れたが、では楽しいエベレスト街道トレッキングを始めよう。
タイエア-でカトマンドゥのトリブバンエア-ポ-トに到着
機内からカトマンドゥ市内を見下ろす
カトマンドゥの三ツ星ホテル インタ-ナショナルゲストハウス
南国の木 ブ-ゲンビリアがお出迎え
5階建てのホテルに届く
カトマンドゥ トレッキングに出発
トリブバン飛行場・国内線へ
エ-ジェントのガイド二名が荷物を押して見送りに
わたし達は一人5kgほどの荷物だけ
一緒に行くガイドは、預ける荷物の重量を少なくするためにヤッケを着て
カトマンドゥ発ルクラ着の国内フライトからエベレストを望む
ヒラリ-・テンジン空港 ルクラLukla 2840m飛行場
世界の危険な飛行場に指定
有視界飛行で峪状から尾根にブブブ-ンと進路変更
坂道の滑走路を下から登る様に入る
急ブレ-キ
無事に着陸すると、乗員のお客全員の拍手
ルクラの飛行場
帰カトマンドゥのお客でごった返す