koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

ネパ-ル登山隊 K2・8611m冬季初登頂 おめでとう 第14回

ネパ-ル人の2登山合同隊が、K2・8611mの冬季初登頂、おめでとう その十四回目

魔の山 K2 「K2非情の頂」の六回目

 ネパ-ル人だけの登山隊で世界第二位の高峰パキスタン・K2冬季初登頂。おめでたいことから始まったこのブログ、も14回目。

 前回は、ジェニファ-・ジョ-ダンの著書「K2非常の頂」の5回目で、K2の5人の女性登頂者の内4番目の登頂者シャンタル・モ-デュイが、ネパ-ル・ダウラギリⅠ峰でC2の6600mテント内で氷塊雪崩死亡を記した。

 今回は、「ネパ-ル登山隊 K2・8611m冬季初登頂 おめでとう」も、最終回としたい。

女性初登頂のワンダ・ルトキェヴィチと千の風

 世界第二の高峰K2が聳えるのは、パキスタンカラコルム山塊。空港のあるスカルドから車でハバ-へ。そこからキャバンを150km進むとバルトロ氷河のベ-スキヤンプから本格的な登山が始まる。

 その8,611mの頂に立った5人の女性について、全員が8千m峰で眠る様子を記述してるのが「K2非常の頂」。

 今回は、K2に35歳で女性初登頂したポ-ランド人のワンダ・ルトキェヴィチの墓標について触れてみる。

 ワンダ・ルトキェヴィチは、1978年10月16日エベレスト8,848mに登頂。K2登頂は1986年6月23日。1987年9月19日に中国のシシヤパンマ8,013m、1989年ガッシャ-ブルムⅡ峰、1991までにチヨ-オユ-8,201mとアンナプルナⅠ南壁と、8千m峰8座を登頂。

 9座目の山はネパ-ルとインドの国境に聳えるカンチエンジユンガ峰8,586mを目指した。1992年3月に出発し。

 5月21日、7900m最終キャンプのC4をメキシコ人のカルロス・カルソリオと出発するが、ワンダは遅れ、カルロスが登頂して300m下った場所の雪穴に居るワンダを目にしたのが最後となつた。ここまで女性の登頂を迎えていなかったカンチェンジュンガ、ワンダ・ルトキェヴィチにも極限の抵抗だった。

 ちなみに、カンチェンジュンガの意味は、「雪の五大宝蔵」。チベット仏教の神々の神聖な御座を表し、五つの宝物、金・銀・銅・穀物・聖なる書物、を指す。

カンチェンジュンガ峰と言えば、インドのダ-ジリदार्जिलिंग。ダ-ジリンの町に旅行に行くと、まだ朝日の出る前に、外国人が車で押し寄せる丘がある。そこからは、朝日に輝くカンチェンジュンガを遠望できる。

 ダ-ジリンの町から車で30分も走ると、ネパ-ルのイラム郡に行き着く。そう、紅茶のイラムティ-は、ネパ-ル人の毎日飲むチャイ(ミルクティ-)の需要を賄う収穫量。

 インドのダ-ジリン紅茶畑とネパ-ルのイラム紅茶畑は、国境線を挟んで陸続き。ネパ-ルティ-のイラム茶畑の面積は小さいが、インド・ダ-ジリンの茶畑は、標高300mの西ベンガル州のスィリグリ-市内から標高2,134mのダ-ジリン町まで距離80kmが続く茶畑。それでも、インドで生産される紅茶の三分の一なのだ。

 スィリグリ-市からダ-ジリンまでは、イギリス帝国インド領の名残り、ダ-ジリン・ヒマラヤ鉄道が走っている。世界最古の鉄道の一つで、世界文化遺産登録されていて、トイ・トレインと呼ぶ。この蒸気機関車、小型で車輪間が62cm。

 登山の話が紅茶へ、横道を歩き出したので、元に戻そう。

 カンチエンジュンガの麓には、ワンダ・ルトキェヴィチの記念碑があり、次の文章が書かれている。「恐怖心が消え、私は大いなる自由を感じた、死は解き放された」

そして、ワンダ・ルトキェヴィチのポ-ランドの墓の墓碑銘には次の様に記されている。「私の墓のかたわらで泣くな。私はもうここにはいない。私は吹きすぎる千の風

詠み人知らずの「千の風

 作者不明のこの詩、日本では新井満の日本語訳と秋川雅史が歌っている。

 「千の風」で有名なこの詩、歴史を遡れば、1977年に映画監督ハワ-ド・ホ-クスの葬儀で、俳優のジョン・ウェインが朗読。1987年女優のマリリン・モンロ-の25回忌にも朗読され。アメリカでは9月11日、前年の同時多発テロで亡くなった父親をしのんで11歳の少女が朗読。イギリスでは、1995年BBC放送で大きな反響を呼んだ、アイルランド共和国(IRA)のテロで亡くなった24歳の青年が「ぼくの死んだときに開封してください」と両親に託した封筒にその誌が入っていた、らしい。

英語詩の「千の風

A  thousand winds,

Author unknown,

 

Do not stand at my grave and weep,

I am not there.

I do not sleep.

 

I am a thousand winds that blow,

I am the diamond glints on snow,

I am the sunlight on ripend grain,

I am the gentle autumn`s rain.

 

When you awaken in the morning`s hush,

I am the swift uplifting rush of quiet birds in circled flight.

I am the soft stars that shine at night.

 

Do not stand at my grave and cry.

I am not there,

I did not die.

 

 千の風

著者不明。

わたしの墓の傍(かたわ)らに立って泣かないで、

わたしはもうここにはいない。

 

眠ってはいない。

 

わたしは千の風となって吹いている、

わたしは雪となってダイヤモンドの煌(きら)めきのように舞っている、

わたしは陽の光になつて熟した穀物にふりそそいでいる、

わたしは秋の雨となって優しくふっている。                                                

 

あなたが朝の静けさで目覚めるとき、

わたしはわき上がる風となって、小鳥たちを輪を描いて舞わせている、

わたしは夜の輝く静かな星となって、あなたを見守っている。

 

わたしの墓の前で泣かないで。

 

私はもうそこにはいない、

私は死んではいない。

  

千の風になって 秋川雅史 新井満の日本語訳

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ネパ-ル・カンチェンジュンガ峰 8,586m

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わたしのエベレスト女性初登頂者の田部井淳子さんからの絵葉書

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ダ-ジリン街とカンチェンジュンガ

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ネパ-ル・イラムの茶畑 

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インド・ダ-リジンの茶畑

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ダ-ジリンの紅茶工場 茶葉を蒸して乾燥

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ダ-ジリンの蒸気機関車

車輪巾62cmの小型機関車、こどもの国に来たみたい

f:id:koyaken4852:20210328144959j:plainインド・タライ平野スィリグリ-町の茶畑

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