ネパ-ル人の2登山合同隊が、K2・8611mの冬季初登頂おめでとう その六回目
アンナプルナⅠ峰 韓国隊の氷河雪崩遭難事故
ネパ-ル人隊の世界第二位の高峰パキスタンのK2冬季初登頂の、ネパ-ル山岳界の大変おめでたいことから始まった、のが、6回目。
横道に外れて歩き出した、パキスタン・スキム・ブルム峰氷河雪崩とネパ-ル、アンナプルナⅠ峰BCを襲う氷河雪崩の写真を見た。
前回は、わたし達北海道隊が登山終了してベ-スキヤンプに下山した、その次の日の午前10時ころに発生した、テイリツオ・ピ-クから発生した懸垂氷河雪崩の猛烈な写真を見た。
今回も、横道にずれっ放しで、アンナプルナⅠ峰北海道登山隊の見た、韓国仁川登山隊の雪崩事故の写真を見てみる。
アンナプルナⅠ峰韓国仁川登山協会隊が雪崩事故で6名死亡
1991年ポストモンス-ン9月のアンナプルナⅠ峰北面8091mアタック中だった。登山隊はわたし達北海道隊とスペイン隊、そして韓国達の3隊がアンナプルナⅠ峰登頂目指してル-トメイキング中。
韓国隊は、先頭を切ってBCからABC、そしてC1からC2を建設。登頂直前の最終キャンプのC3へのル-ト工作中だった。
韓国隊員2人とネパ-ルメンバ-の高所クライミングガイド5人の7名が、第3キヤンプのテントなどを背負い、ル-トにフイックスロ-プを設置しながらクライミング登行中。
大きな雪崩が発生。
この下部アドバンス・ベ-スキヤンプで上部を見ていた北海道隊、が見た。雪崩の雪煙がアンナプルナ北面の下部の半分を覆うほどの、大規模雪崩。どうなったのか不明。現場から下ってきたのは、ネパ-ル人一人だけ。サ-ダ-と呼ばれるガイド頭だけだった。彼は、ル-トメイキングの先頭をクライミング中。その足元下部から雪崩発生。続いて登行していた後部の6人は、雪崩に巻き込まれたのだ。
韓国隊員2人とネパ-ルメンバ-4人の6名が雪崩で行方不明。
世界の8千m14座のうち、死亡率最高のアンナプルナⅠ峰
しかし、登山遭難事故統計で一番危険な8千m峰はアンナプルナⅠ峰なのだ。それも雪崩事故死亡者が一番多い。
世界の8千m峰で最初にフランス隊が登頂したのが、このアンナプルナⅠ峰で、その時にも登頂後の下山中に雪崩に巻き込まれたモ-リス・エルゾ-グが、手袋を雪崩で紛失して手指凍傷になった8千m峰登山事故歴史の始まり。
8千m峰の死亡率は、アンナプルナⅠ峰が一番で、なんと27%が死んでいる。二番目はK2峰で22.9%。世界最高峰のエベレストは、3.2%と比較的に低い死亡者率。
魔の山と呼ばれるのはK2とアンナプルナⅠ峰の二峰。死亡率が27%ということは、登頂した4人に1人が登山下山中に遭難事故で死亡してていることになる。
登山が純粋なスポ-ツなら、例えば野球の試合で2チ-ムで1試合18人が、試合中に4.8人が死亡する。
それでは、アンナプルナⅠ峰韓国隊の雪崩事故写真を見てみる。
ちなみに、日本ヒマラヤ協会など種々のホ-ムペ-ジで発表されている8千m峰14座別の累計登頂者数と死亡率は下記の通り。
8千m峰14座別の累計登頂者数・1953年~2018年
8千m峰名 標高 累計登頂者数
ベレスト 8848m 9171人 (2019年885人・ネパ-ル側644+チベット側241人)
K2 8631m 367人
カンチェンジュンガ 8586m 373人
ロ-ツェ 8516m 785人
マカル- 8463m 454人
チョ・オユ- 8201m 3828人
ダウラギリⅠ 8167m 550人
マナスル 8163m 1742人
ナンガパルバット 8126m 400人
アンナプルナⅠ 8091m 266人
ガッシャブルムⅠ 8068m 350人
ブロ-ドピ-ク 8051m 406人
ガッシャブルムⅡ 8035m 100人
シシャパンマ 8027m 350人
8千m峰14座別の累計死亡率・1953年~2018年
8千m峰名 標高 死亡率
ベレスト 8848m 3.2%
K2 8631m 22.9%
カンチェンジュンガ 8586m 12.6%
ロ-ツェ 8516m 2.7%
マカル- 8463m 9.1%
チョ・オユ- 8201m 1.3%
ダウラギリⅠ 8167m 15.1%
マナスル 8163m 4.9%
ナンガパルバット 8126m 20.7%
アンナプルナⅠ 8091m 27.0%
ガッシャブルムⅠ 8068m 9.7%
ブロ-ドピ-ク 8051m 8.4%
ガッシャブルムⅡ 8035m 2.3%
シシャパンマ 8027m 8.9%
韓国隊6名死亡の雪崩の雪煙
雪崩発生したアンナプルナⅠ峰北面の部分
ベ-スキヤンプの現地葬儀式
韓国隊隊長
スペイン隊
アンナプルナⅠ峰北面登山で死亡したクライマ-とネパ-ルガイドのレリ-フ
一番上部の二つが1991年韓国・仁川山岳連盟隊の韓国人2名(左)とネパ-ルメンバ-4名
韓国隊墓標
日本隊の墓標
アンナプルナⅠ峰アドバンスベ-スキヤンプ(ABC)
手前が北海道隊 奥が韓国隊
ABC ニルギリ・南峰6839mとニルギリ中央峰6940m(右)
アンナプルナⅠ峰ベ-スキャンプ・左半分は北海道隊、右奥はスペイン隊
この後、北海道隊のテントが5張ほど増える
登山開始前、ベ-スキャンプで行われるプジャ・安全祈願の儀式
ABCからアンナプルナⅠ峰北面全景 8091m
頂上下部の氷河と岩の部分はカマ氷河と呼ばれる(草刈り鎌の形)
写真中央部の小規模な尾根は北海道隊のC2設置したダッリブル-ト(オランダ初めて使った)