ネパ-ルの王宮と寺院(仏塔) 百八十三回目
カトマンドゥ盆地の寺院と仏塔
16.バクタプルの王宮と寺院 14回目 トウマディ-広場のニャタポラ寺院
前々回まで、バクタプル市内の三広場のうちの王宮広場の写真を見た。
前回から王宮広場から、南側に200m歩いたトゥマディ-広場の寺院群の写真を見ている。
今回からは、カトマンドゥ盆地内に建つ一番背の高い寺院、ニャタポラ寺院の写真を見てみる。
ニャタポラ寺院は、1702年プパディンドラ・マッラ王が建設。バクタプル国王のプパディンドラ・マッラ王の在位は、1696年から1722年。
寺院の名称「ニャタポラ」は、「五重の屋根」の意味で寺院の建つ基壇も5段あり、合わせて30mの高さ。カトマンドゥ盆地内には五重屋根の寺院は他に一棟あるだけ。
15世紀以後のカトマンドゥ盆地は、先住民のネワ-ル族文化の最盛期。この寺院も、ネワ-ル文化そのもので、レンガ積みと出入り口や窓枠が彫刻を施した木彫建築で、階層建築そのもの。
寺院正面の基壇には、真ん中に階段があり、その両脇に10基の石像が並ぶ。これに金銀細工が加われば、まさしくネワ-ル文化の粋を極めた建築様式となろう。
ニャタポラ寺院に祀られているのはジッディ・ラクシュミ女神。この寺院の正面扉は釘付けされていて、一度も開かれたことがなく、祀られている本尊を視た者はいない。
2度の大地震に壊れなかったニャタポラ寺院
1934年のネパ-ル地震、そして最近の2015年4月25日ネパ-ル大地震、二度の大地震にニャタポラ寺院は壊れなかった。
バクタプルにある寺院や仏塔は、1934年地震で多くが倒壊した。勿論、寺院だけでなく住民のレンガ積み住宅も倒壊・全壊した。この時は、ネパ-ルが鎖国政策中で、国際的な情報網もなく、決定的な国際援助が無かったために、再建・修復はされなかった。
2015年地震でも多くの寺院や住宅が倒壊した。しかし、歴史文化遺産の寺院の修復・再建作業が進められている。ほとんど全ての再建は、国際連合を主に海外からの援助。
石階段の両側にある10基の石像
寺院正面の石段両脇の大きな石彫刻像は、下から順に戦士と象・獅子・グリフイン・女神。
最初の下段の戦士は、ジャヤ・マッラとパッタ・マッラの像で、この戦士は人間の10倍の力がある。そして、更にその上がその10倍で人間の100倍のパワ-。更に上に行くにしたがってその10倍づづ力が強くなるとされている。最上階の女神像は、一番下の戦士の10万倍の力がある。
ニャタポラ寺院
バクタプル市内
現在のニャタポラ寺院と左側の住宅
1950年ころの写真
ニャタポラ寺院の左側の建物が現在と違う
ネパ-ルの紙幣にニャタポラ寺院
現在の100RSルピ-紙幣
先代の国王 2008年制憲選挙で最後のネパ-ル国王となつた
先々代の国王
祭りの山車
左 ニャタポラ寺院 右 バイラブナ-ト寺院 手前 ニャタポラ・カフェ