ネパ－ルの王宮と寺院（仏塔） 百八十一回目
カトマンドゥ盆地の寺院と仏塔
１６．バクタプルの王宮と寺院 １２回目 バクタプル市内の様子と道路
前回は、王宮広場の北東側にあるファシデガ寺院の写真を見た。
今回は、王宮広場の寺院の写真は全て見たので、バクタプル内のこの広場の他の二か所の広場と繋がる通路の写真を見てみる。
バクタプル市内の家々や内部の道路は、中世からの華やかな街並みや、レンガを敷き詰めた道路が残っている。１９３４年のネパ－ル地震で、多くの寺院や住民の居住家屋が壊れ、再建されなかった。２０１５年４月２５日のネパ－ル大地震では、２０１８年現在に寺院の再建修復が進んでいる。が、市内の南東部方面の家屋に被害があり、ここは復興が進んでいない。
中世ネパ－ルの文化遺産、急激に失ったカトマンドゥ、残ったバクタプル
ネパ－ルは、１９５０年に鎖国を解いて開国。その後インドへ亡命していたトリブバン国王が、１９５１年に戻って王政復興。この頃から、国際連合の本格的な支援体制のもと、約２５年間の第五次開発計画まで、大きく発展。経済復興の進むにつれ、首都カトマンドゥに人口が集中した。
１９５０年、カトマンドゥからネパ－ル全域への調査活動に入った、スイス人のトニ－・ハ－ゲンは次の様に書き残している。
「今日でも、空想やおとぎ話の世界を除いたうえで、゛不思議の国゛といえば、それはネパ－ルを指すといってもよいだろう。カトマンドゥ盆地のようなごく限られた地域に、あのようにたくさんの美術工芸品があるのは世界でも類のないことだ。ネパ－ルを旅していると、今日でもヒンドゥ－教と仏教か織りなす中世の夢路の世界にいるのではと感じてしまう」
そして、「短期間のうちに、カトマンドゥの自然と文化遺産は、その姿をなくした」、と。
わたしは、ネパ－ルで生活をするようになって１２年。１９８１年からネパ－ルの様子を見てきた。
カトマンドウから東方向に１２ｋｍにあるバクタプル、この距離がバクタプルの近代化を拒んだのではないか、と考えているのだが。
１９５０年には移動手段としての自動車は、ネパ－ルに存在しなかった。現在ネパ－ルの第二の都市ポカラまでは、カトマンドゥから約２００ｋｍ、自動車道路が完成したのは１９７２年。カトマンドゥからバクタプルまでのアルニコ・ハイウエ－は、２０００年以降。
現在も残っている、中世ネパ－ル文化の建築と道路は、ここバクタプルに多い。大地震で倒壊した寺院は、世界中の援助で再建されるが、倒壊した住民のレンガ積み造りと木彫家屋は、鉄筋コンクリ－ト造りに再建される。
バクタプルの家並みとレンガ敷き道路
中心部は少し小高い
近くにはレンガ工場の煙突
ほとんどの家はレンガ積みと出入り口と窓の木彫刻
バクタプルバス停とバクタプル西門
ここから王宮広場まで５００ｍ
レンガを敷きつめた道路
家の一階は商店
２０１５年４月２５日ネパ－ル大地震直後のバクタプル
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中世からのレンガ道路
バクタプル市内に幾つかある水道施設
伏流水が出続ける中世時代からの歴史遺産
２０１８年の写真 大地震から後片付けされていない、地震の傷痕
バクタプル市内の裏小路もレンガ道路
バクタプルのお祭り風景
