ネパ－ルの王宮と寺院（仏塔） 百七十三回目
カトマンドゥ盆地の寺院と仏塔
１６．バクタプルの王宮と寺院 ４回目
ネパ－ルのバクタプル王宮と寺院の四回目。
前回は、バクタプル市内にある王宮広場の王宮を、正面から見た。
今回は、バクタプル旧王宮の入口から、内部に入った写真を見てみる。
旧王宮内部には常時、鉄砲を持ったア－ミ－が警護してる。そして、道路標識の様なカメラに斜線のある、撮影禁止マ－クが貼られている。写真を撮ってはいけないのだが、なぜか、わたしのＵＳＢには王宮内部の写真が多数ある。
カトマンドゥ盆地の王様だったバクタプル王
ネパ－ルの国王制度を少し調べて見た。
ネパ－ルの中世からの王様の歴史は、１３世紀にカトマンドゥ盆地でマッラ朝がネパ－ルを統治。バクタプルの現在の場所から、国王制度の始まり。
１４５０年頃、バクタプル王からカトマンドゥ国王が独立。
１６１９年、カトマンドゥ王からパタン国王が独立し、カトマンドゥ盆地三国時代となる。
１７６９年、カトマンドウからポカラへ向かう途中の、ゴルカ町の第１０代ゴルカ王プリトウビ・ナラヤン・シャハ王（１７２３～７５／在位１７４２～７５）が、、バクタプル国とカトマンドゥ国・パタン国の三国を攻め、ネパ－ルを統一。シャハ王朝時代の始まり。
１８４６年、ジャンガ・バハドウ－ル・ラナが国王虐殺事件で宰相となる。ラナ家が実権を握り、シャハ王家は傀儡政権となる。
１９５１年、ネパ－ルは１９５０年に１３０年間の鎖国を解いて開国。トリブバン・シャハ王が亡命先のインドから帰国し王政復興。
ネパ－ルの王政には、その後もある。
１９５１年に王政復興したが、国王は民主的政治を求めるネパ－ル国民や議会と対立。
国民は、ヒンドゥ－教政治に固執する国王排除に動く。
１９９０年から、国王と対立する民主化運動が、内戦に及ぶ。
２００７年、ネパ－ル議会は、１９９０年ネパ－ル憲法の廃止と、制憲選挙を議決。
１９９０年から、国王の絶対権力復権にかけた二度の国王ク－デタ－に、国民はＮＯを突きつけた。
２００８年、議会制憲選挙後の第一回国会開会し、国王退位を正式決定し、民主憲法制定議論を開始する。国民と議会の民主化革命成功。国名をロ－ヤル・ネパ－ルからネパ－ル民主共和国に。
ちなみに、１９９０年憲法以前の憲法条項は「ヒンドゥ－教を国教とする。シャハ氏を国王とする」。
民主化の波に国王が折れ、１９９０年憲法制定。それでも国王の抵抗が続き「ヒンドゥ-教徒の国王」とした。
ネパ－ルの国王が、なぜヒンドゥ－教に拘わるのか
ネパ－ルの法制度に、ヒンドゥ－教のカ－スト制度の厳粛な保守にあつた。
国王を頂点とするカ－スト制度、の最高位カ－ストはブラ－マン。
国民全体の頂点に君臨するブラ－マンは、カ－スト制度によってその純粋性を永久的に守り継続するために、憲法や民法・刑法などあらゆる法律で、ヒンドゥ－教教義違反の罰則を規定した。
罰則既定の大半は、性的関係や結婚に関しての懲役刑と奴隷刑や死刑。
ネパ－ルのヒンドゥ－教のカ－スト制度
ネパ－ルのカ－ストは、ヒンドゥ－教の教義。１９９０年ネパ－ル憲法以前の憲法規定は、ヒンドゥ－教を国教とすることと、国名がロ－ヤル・ネパ－ルのごとく絶対権力の国王国だった。
ヒンドゥ－教のカ－ストに少し触れてみる。
カ－ストは、生まれつきの世襲的な身分を共有するいくつもの社会的集団（カ－スト）からなる厳格な階層性を持つ。
それぞれのカ－ストは、結婚の相手を自分達の内部だけで見つけるひとつの内婚集団。
生まれついたカ－ストは終生変わらない。
多くのカ－ストは固有の職業を持っている。
それぞれのカ－ストの地位は、ヒンドゥ－教司祭を職業とするブラ－マンを頂点として、高低序列のなかにかなり明確に位置づけられ。こうしたカ－ストが集まって一定の広大な地域、ネパ－ル地域や中程度、又は小さく見て村落単位にひとつのカ－スト制度という社会的枠組みを作り、カ－スト別役割分業の相互依存関係の体系として働く。
ネパ－ルの国王制度について、カ－ストまで説明したが、お判りいただけただろうか。
バクタプル旧王宮広場入場券
１，１００ＲＳルピ－だったが、現在は１，５００ＲＳ（１ＲＳ＝１円）
プリトウビ・ナラヤン・シャハ王前の王宮入り口から宮廷へ入る
５５窓の宮廷の裏
２０１５年４月２５日ネパ－ル大地震後
国王の沐浴場チヨ－ク
