koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

ネパ-ル滞在日記 続編 その17回目  ネパ-ルのロキシ-

ネパ-ル生活2018年 

ネパ-ルのお酒、ロキシ-

 

 今年2018年は、9月から二か月間、ネパ-ルのカトマンドゥ市内の借家で生活を始めた。ネパ-ル暮らしは12年目。

 11月11日に札幌へ帰ってきて、ネパ-ル滞在中を振り返って、2ケ月分の写真を見てみる。

 ネパ-ル生活から札幌に帰って一か月、今日12月9日、メ-ルの受信チエックしていると、ネパ-ルからのメ-ル。

 ネパ-ル在住の友人からのメ-ルは、ネパ-ルの各家庭で作っているお酒のロキシ-についてだ。

 美味しいロキシ-が飲める所を、教えてほしい、とのこと。

ロキシ-は家庭のお酒で美味しい

 ネパ-ルの代表的なお酒、穀物酒のロキシ-。蒸留酒なので、日本の焼酎と作り方は同じ。もちろん、ウイスキ-も同様。日本では、酒造法でお酒を作って販売する方法が法規定されている。ネパ-ルでも日本同様に、法律があって誰でもお酒を作れないし、売ることもできない。

 ネパ-ルのロキシ-は、各家庭で各々が造って飲んでいる。ストア-などの一般の販売店で見かけたことはない。

 カトマンドゥ市内で、ロキシ-を造っている場所に出くわしたことはないが、地方へ出ると、いたる家庭で見かける。穀物を発酵させる時間によって、アルコ-ル度数が違い、よって味も異なる。やはり美味しいロキシ-は、長期熟成させた度数の高いもの。蒸留の仕方はだいたい皆同じ。

 カトマンドゥにある日本食レストランの店主が、1リットル入りのロキシ-をわけてくれ、札幌に持ち帰って友人達と飲んだことがある。現実的には個人か造ったロキシ-なので、ネパ-ルの酒造法に違反する。作ることも販売することも違法行為。ネパ-ルの警察に見つかると、レストランの営業停止になりかねない。レストラン同業者が警察にチクることを心配していたのを想い出す。

 ネパ-ルで、美味しいロキシ-を飲んだのは、相当以前になる。2,000年前後に女房のスケッチ・トレッキングに付いて行き、カトマンドゥのホテルに宿泊した時。ラジンパツト町の三ツ星ホテルのマナスルホテルだった。夕食のメニユ-に「ネパ-ル定食(ダルバ-ト)」があり、それを注文すると一合のロキシ-が付いてくる。

 ロキシ-に関しては、この時が一番美味しかった。一口飲んだ瞬間に、アルコ-ル度数が尋常でないのが判り、美味しいのだ。日本の焼酎の40度に近いもの、それ以上の口の中や喉がピリピリする位のものだった。

ネパ-ルの家庭酒は三種類のお酒

 日本ではどこにもないお酒、ネパ-ルで飲めるお酒は三種類。代表格はロキシ-。その次がトンバ(ドンバ)で、なかなか飲む機会の少ないのがチャン。この三種類のお酒、どこのストア-にも販売されていない。わたしは1981年からネパ-ルに行くようになった。その時分は、ネパ-ルの田舎では、チャンを飲んだ記憶がある。日本の濁酒(どぶろく)と思えばよいだろうか。

 ネパ-ルの酒造法では、全てが密造酒。

ロキシ-

 ロキシ-は蒸留酒穀物を発酵させてねかせる。各家庭で造るお酒の代表格で、穀物の種類や寝かせる期間はそれぞれの家で違い、アルコ-ル度数や味に違いが出る。

 蒸留は、ほぼ皆同じ方法、一番下で火を焚き、その上に発酵させたお酒を乗せる。蒸発した水蒸気をその上の水の入った器の底で受けて冷やす。水蒸気が又水に戻る。

 この時、使う器は3個。金属製の器を三個重ねて、水蒸気が漏れないように、隙間を埋めなくてはならない。驚くなかれ、隙間を埋めるのは牛の糞。牛の糞の匂いは草の香り。牛の腸に住む細菌が付いてはいるが、大丈夫。

 ネパ-ルの高位カ-ストの台所の床は、牛の糞で清掃し清めていた。神様を祀る水。聖水のある台所は聖域として、低位カ-ストが入ったり覗くのも禁止されているほどの場所。掃除は牛の糞だった。

トンバ

 トンバのお酒は、ネパ-ル全土とはいかない。現在では、ネパ-ル全域のレストランなどで飲めるが、以前はネパ-ルの東部で飲まれていたお酒。

 ネパ-ル東部のビラトナガ-ル以東が美味しいとされている。現在でも、カトマンドゥで飲むトンバの内、ビラトナガ-ルより東地域出身者の造るトンバが美味しい。

 造り方は簡単。アワやヒエに麹を入れて、発酵させる。日本酒と造り方は一緒。日本酒が搾るのと異なり、そのままで、アワやヒエを一緒に飲まない様に、先をつぶしたストロ-で飲む。

 アワやヒエの実が入っているから、一度全部を飲み終わっても、お酒そのものが実に残ってる。だから、この残った実にお湯を足して、もう一度楽しむことができる。なんと、二度や三度まで飲める。水でなくお湯を足すのがミソ。アワやヒエに付いている酒の全てが出てくる。

 お湯を入れて飲むお酒なので、亜熱帯気候のネパ-ルでは、モンス-ン中の暑いさなかには飲まない。だいたい、11月1日を境に冬のお酒。トンバの仕込みは、もっと早く造り始めるのだろう。

 11月1日の家の部屋の気温は何度。今年のネパ-ル暮らし、鉄筋コンクリ-ト造りの家の北側の部屋の朝7時の気温は15度C。南側の前日の暖かさが残っている部屋で21.5度Cだった。

 ビラトナガ-ル地域や、ネパ-ルの一番東側のカンチェンジュンガ峰エリアでは、各家庭にトンバ飲みの木製の器が、台所にズラ-と並べられている。その器が高価なのが一目でわかるほど。

 

火を焚いてロキシ-の蒸溜中

f:id:koyaken4852:20181209142510p:plain

 

トンバ飲みの器

f:id:koyaken4852:20181209142542p:plain

 

アワやヒエの実が器いっぱい

f:id:koyaken4852:20181209142610p:plain

 

お湯を2回は入れて、三杯飲める

f:id:koyaken4852:20181209142645p:plain

 

洗うのに簡単なトンバの器

f:id:koyaken4852:20181209142711p:plain

f:id:koyaken4852:20181209142724p:plain

 

エベレスト街道のナムチェバザ-ルのロッジ台所

f:id:koyaken4852:20181209142751p:plain

 

インド・シッキム州の国境付近、ネパ-ル最東端のカンチェンジュンガ地域のネパ-ル人専用宿屋でトンバ

f:id:koyaken4852:20181209142828p:plain

f:id:koyaken4852:20181209142850p:plain

f:id:koyaken4852:20181209142907p:plain