koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

ネパ-ルの宮廷と寺院・仏塔 第65回

ネパ-ルの王宮と寺院や仏塔 その六十五回目

パシュパティナ-ト その一回目

 

 前回まで五回に亘って、カトマンドゥ中心街から5kmのキルティプルKirtipurの寺院群の写真を見た。

 今回からは、1979年にカトマンドゥ盆地として世界文化遺産に登録された、その一か所パシュパティナ-トの写真を見てみる。

 

パシュパティナ-ト काठमाडौं उपत्यका Pashupatinath (Temple of livingbeings)

 シヴァ神を祭るヒンドゥ-教寺院パシュパティナ-ト寺院の意味は、シヴァの異名で呼ばれる「パシュパティ」(Paśupati、पशुपति )で、「牛の王」の意味でもある。

 

パシュパティナ-トのカトマンドゥ市内の位置と歴史

 ネパ-ルの首都カトマンドゥ市内、インド・ガンジス川の上流で支流にあたるバグマティ-川の川沿いにある、シヴァ神を祭るネパ-ル最大のヒンドゥ-教寺院パシュパティナ-ト寺院とその周囲地域が世界文化遺産に登録されている。。

 この地はインドとネパ-ルのヒンドゥ-教の神、シヴァが滞在したとの言い伝えがある。はるか昔1,500年以上も前からヒンドゥ-教徒の巡礼地となっている。

インド大陸にある四大シヴァ寺院の一つにも数えられ、ネパールでは最高の聖なる地。 特に1990年からのネパ-ル民主化以前は、憲法に「ヒンドゥ-教は国教」の条文があり、強制力化のヒンドゥ-教寺院だった。

 カトマンドゥの国際空港トリブヴァン空港の北西側に位置し、市街地を取り囲むリングロ-ド沿いにある。トリブヴァン空港から徒歩で行ける距離である。

火葬ガ-ト

寺院が面しているバグマティ川には、隣接した火葬台を複数備える火葬場のガ-トがある。

 ヒンドゥ-教は輪廻転生が教義。生まれ変わるのであるから、日本の様なお骨を残すことはなく、 灰は川に流される。

 バグマティ川は、ヒンズーの聖地であるインドのバラ-ナシを流れるガンジス川に通ずる支流にあたるため、ここのガ-トで荼毘に付せば母なる大河ガンガーへと戻ってゆくと考えられている。ゆえに、ヒンドゥ-教徒が80%のネパ-ルでは、遺灰をこの川に流すことを願望している。

 バグマティ川の中では火葬が行われている脇で身体を清める者もあれば、洗濯をする女の姿も見受けられる。

火葬ガ-トには焼場が並んでいるが高位のものほど上流の火葬台で焼かれる。

パシュパティナ-ト寺院の春祭りのシヴァ ・ラットリー祭

 シヴァの誕生日にあたる3月とヒンドゥ-教の祭りには、ネパ-ルから大勢のヒンドゥ-教徒がこの寺院を訪れ、まる一日夜を徹しての祈りが捧げられる。又インドなどからもヒンドゥ-教信者、サドゥ-と呼ばれる体に色鮮やかな色彩を施した人や、多くの巡礼者が訪れる。

 多くのインド人が参拝の為にバスを連ねてネパ-ル入りする時は、このお寺の近辺の大型バス駐車場がバスで溢れるくらいだ。

パシュパティナ-ト寺院はヒンドゥ-教徒のみ入場

 パシュパティナ-ト寺院はヒンズー教徒以外立ち入りが禁止。門や入口から寺院内部は撮影禁止。

 西側の門のほうに行くと、金色のナンディ(牡牛)のお尻が見える。ナンディはシヴァ神の乗り物である。寺院内の撮影禁止でナンディを前から写した写真は見当たらない。

 シヴァ神の乗り物がナンディ(牡牛)。このためにネパ-ルでは牛が神と同意語になって神聖化されている。

パシュパティ寺院の入口にお尻を向けるナンディ

 ヒンディ―語でヴァ-ハナは「神の乗り物の動物」の意味で、シヴァ神の乗り物が牡牛のナンディ。

 よくネパ-ルの牛は、神様と云われる。実際には少し違う。神様の乗り物なので、神聖化されるなかで神の位と同等になっているだけ。特に外国人には間違えられている。

1990年からのネパ-ル民主化による憲法から「ヒンズー教を国教とする」の条文がなくなるのに伴う、牛刑法もなくなり、牛の傷害罪や牛殺罪がなくなった。政教一致国の法律は、宗教の教義や戒律を国民に守らせるために、強制力として民法や刑法など、あらゆる法律条文として刑罰の対象として法規範となっている。牛を叩いただけで懲役刑罰になる。

 憲法から「ヒンドゥ-教条文」が消えても、ネパ-ル人の80%はヒンドゥ-教信者。現在でも牛は大事にされ続けている。

 わたしは1981年からヒマラヤ登山をしている。2007年からは一年の内数か月をネパ-ルで暮らしている。カトマンドゥ市内の大通りを歩く牛は減ったし、新たに飼っている牛を自由に家以外に放つのは禁止されている。それでも、多くの牛が市内の細い小路や草地に見かける。

 わたしは、牛が道路を歩いていても怖いとは感じないが、子供達や女性達は怖がり、牛が歩いて時は、離れるまでじっと待っている様子を見かける。

 

参考資料

在ネパ-ル日本大使館ホ-ムペ-ジ

ネパ-ル トニ-・ハ-ゲン

ネパ-ル 地球の歩き方

カトマンドゥ・デイ・ドリ-ム 佐々木幹郎

ネパ-ル紀行 三瓶清朝

ネパ-ル アジア読本

NPO法人 DTACネパ-ル観光情報局

 

パシュパティナ-ト寺院は一番高い建物 東南側

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パシュパティナ-ト寺院西側

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シヴァ神の乗り物、牡牛ナンディのお尻

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焼き場のガ-ト

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パシュパティナ-ト入場券 1000RSルピ-

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