ネパ-ルの王宮と寺院(仏塔) 第十六回目
王宮の十六回目 ゴルカ旧王宮 八回目
前回は、ゴルカ町中の中世期に建築された仏塔や国王像などと、ヒンドウ-教の神様のサル神のハヌマ-ン像や象神のガネ-シャなどの石像を写真で見た。
今回は、ゴルカ町の丘のテッペンに建つ、王宮の木彫の美しさを写真で見てみる。
ネパ-ルの中世紀15世紀末以降の、レンガ建築とその窓枠や二階・三階などの層建築ごとの床や天井部分を支える木製彫刻が、色彩豊かに華麗な彫刻が見られる。
ゴルカ王宮の窓枠や層建築の木彫の美しさ
ここゴルカは、カトマンドゥ盆地で花開いたネワ-ル文化とは、距離があって異なる文化のはず。カトマンドゥから北へ90kmの距離は、ネパ-ル系ネパ-ル人として、カトマンドゥ盆地の文化を築いたネワ-ル族の文化が影響を与えたのだろうか。
カトマンドゥ盆地のバクタプル(バドカオン)やパタン・カトマンドゥの王宮と寺院に見られる、建築様式がここゴルカでも、一見同様と思われる程の酷似して散見される。
ネワ-ル文化は15世紀末以降の、建築や金銀細工・木工彫刻・石木金属仏像細工・日常品、などのあらゆる物で見られる。それぞれは、使用目的に合った造りのみでなく、細工が美術品に匹敵するものだから驚いてしまう。素晴らしい。
建物建築の木彫窓枠細工や方杖の彫刻
ネパ-ルの中世紀にはガラスがなく、窓は木製だった。外から中は見えず、中からは外が覗ける造りになって、ここゴルカ王宮も華麗な木彫が見られる。
ネパ-ルのヒンドゥ-教寺院は、日本の仏教寺院と同様な、三層・四層・五層の塔建築が多い。ここゴルカ王宮も同様。屋根の軒先を斜めに支える木製の「方杖ほうづえ」が付いている。長さはほぼ4m、幅0.5m。軒先の約2m間隔で並んで付けられている。この方杖に特徴なのは、その一本一本に華麗に色彩された男神や女神が彫刻されている。
木製の方杖(ほうづえ)には神様などが彫刻されている。この方杖に見られる最大の特異性は、男女の媾合(こうごう)像、男女の性器を愛撫し合う像、女が自分の性器を参拝者へ見せる像が鮮明に描かれている。日本では恥ずかしくて隠しておく様なものが、ここでは大っぴらに、いかにも見てほしいと堂々としている。
なぜ堂々と表現しているのかは、これらの木彫の方杖は、ネパ-ル人にとって魔よけとか豊穣の豊作願いが、歴史的な本当の目的だったと受け取られている。
窓枠の上にはト-ラナ
ト-ラナとは、扉の上に飾られている、仏像や神・獣が刻まれている半円形の板。神と仏が中央に彫刻されているものが多い。
レンガ積み建築のゴルカ王宮
屋根を支える方杖や窓枠の木彫が美しい
木彫の方杖ほうづえ
方杖に描かれている男女の媾合
大股開きの女の神様
方杖に描かれている男女の媾合木彫
木彫の窓枠
木彫の出入り口と窓枠
窓枠の上にはト-ラナ
ト-ラナ 窓枠の上の半円形の板
レンガ造りと窓や方杖の木彫刻が調和したゴルカ王の宮殿