ネパ-ルの楽しいトレッキング 第77回

ネパ-ルの楽しいトレッキング その七十七回目

エベレスト街道・トレッキング(ソルク-ンブヒマラヤSol  khumbu)の三十八回目

 前回は、2014年プレモンス-ン季、エベレストのベ-スキャンプからキヤンプ1間のアイス・フオ-ル地帯を襲った氷河雪崩事故について触れてみた。

 今回は、最近のネパ-ルヒマラヤにおけるトレッキングや登山での大量遭難3件のうち、最後の三番目に触れてみる。

 2015年プレモンス-ン季4月25日お昼少し前、ネパ-ルを襲った大地震でエベレストのベ-スキャンプが大変なことになった。地震の揺れが懸垂氷河の崩落を招き19人死亡の氷河雪崩事故が発生。

 

ネパ-ル大地震の氷河雪崩は、落下途中で粉々になり猛吹雪となってエベレスト・ベ-スキヤンプを襲った

 エベレスト・ベ-スキャンプは、エベレストやロ-ツェから流れ下るク-ンブ氷河の右岸(上部を見て左側)5364m地点にある。BCのテントなどは、氷河の氷の上に設営する。

 このBCを襲った雪崩は、35回に亘って写真などで見たエベレスト街道トレッキング(ク-ンブヒマラヤ)の最終目的地、カラ・パタ-ル5550mの裏山になるプモリ峰7165mのBC側稜線状下部の氷河が落下したもの。

 前回のエベレストベ-スキャンプとキャンプ1間のアイス・フオ-ルを襲った氷河雪崩は、動く氷河は急斜面にせり出して、そのせり出した部分が自然落下したもの。今回のベ-スキヤンプに向かって落下した氷河は、急斜面にあった氷河が、地震の揺れで動いて落下したもの。

 前回の2014年の氷河雪崩は、わたしが1991年にアンナプルナⅠ峰8091mのアタック中に遭遇した氷河雪崩と一緒。

アンナプルナⅠ峰のベ-スキャンプを襲った氷河雪崩

 わたしが襲われた氷河雪崩は、アンナプルナⅠ峰のベ-スキヤンプに隊員全員が朝食後にテントの外でくつろいでいる時だった。BCを挟んでアンナプルナⅠ峰の反対側ニルギリヒマ-ルの北端ティリチョ・ピ-クTilicho Peak 7134m頂上直下からせり出していた氷河は、せり出した部分が折れて落下した。落下距離約2000m、BCまでの距離約5000m、大きな東京ド-ムの何分の一かの氷が、ほぼ垂直に落下。氷は粉々になって雪状の猛吹雪がBCを通り抜けて行った。

 日向ぼっこしていた隊員やネパ-ルメンバ-は、全員が「逃げろ-」の掛け声と共に、BC後方にある直径5mほどの数個ある岩陰に隠れて無事。スペイン隊の一人が、逃げる途中に足を挫いて負傷。我々のテント3張がペシャンコになり、外に干してあったシュラフ一個が吹雪に飛ばされて行方不明の被害。

 我々の高所ガイド達がABCへ荷物を下ろしに登っていたが、ABCに居て無事だった。BCとABC(アドバンス・ベ-スキャンプ)間のル-ト上にフイックスしていたロ-プはズタズタ切断されていた。

 エベレストベ-スキャンプを襲った氷河雪崩は、ベ-スキヤンプに居た19人を、吹っ飛ばしたり、テントごと吹き飛ばして死亡させた。負傷者の状況はネパ-ル政府が発表していないので不明。ネパ-ル政府は国全体が大地震のために、山岳方面の状況にかまっている暇もなかったのだろう。しかし、ここエベレストにはネパ-ル軍のヘリコプタ-がいち早く救援で飛んで来てる。

 又、私の友人はランタンヒマ-ルのランタン・リ峰の登山中で、ここにもネパ-ル軍のヘリが素早く救援隊を送り込んできた、と後日私に語ってくれた。

救援機のアメリカ・オスプレ-は役立たず

 ネパ-ル大地震では世界中から素早い救援体制が取られた。カトマンドゥのトリブバンエア-ポ-トには海外の救援機が次々と着陸して、ネパ-ル行の民間機は出発地を飛び立てない程だった。アメリカの派遣したオスプレ-は問題を引き起こしていた。沖縄の海に落ちたあのオスプレ-。機体と比較して大き過ぎるプロペラの、あの異様な姿のヘリ兼飛行機。オスプレ-機の被災地へ着陸体制時にそれは起きた。家々は被災して壊れかかっている。レンガ壁は崩れていた。そこにヘリと同じ様に着陸しようとした。異様に大きいプロペラは大風になって被災したガレキなどを吹き飛ばしてしまった。

 アメリカの救援機オスプレ-は、一度も被災地に着陸することなく帰国したらしい。日本政府は自衛隊にオスプレ-の購入を決めたらしい。国内の被災地救援活動も自衛隊の役割。オスプレ-が被災地で二次被害の活躍が見えるようだ。

話が横道を歩き出してしまった。元の道に戻る。

 ネパ-ル地震は、エベレストの登頂を目指していた登山隊の夢を奪ったばかりか、一瞬にして19人を死亡させた。

 前年2014年4月に起きた氷河雪崩は、ネパ-ルメンバ-13人死亡、3人行方不明で、以後登山中止となった。二年続けて登山が全面中止となってしまつた。

 前年の遭難死亡事故はネパ-ルヒマラヤ登山で最大の事故だった。一年後に同じ場所エベレストで前年の死亡事故最大を更新した。

 2015年のエベレスト登山では、札幌在住の女性が氷河雪崩の爆風に飛ばされて足を骨折負傷している。この女性、この年の11月にわたしの所属している山岳連盟主催の登山研究集会記念講演会で見かけた。今年2017年5月、彼女はガイド登山でエベレストに再挑戦し登頂した。

エベレスト登頂者は毎年数百人

 エベレストの登山は、大きな遭難事故があっても、まだ多くの登山者が詰めかけている。今年は一部報道では375名が登頂し、ネパ-ルメンバ-を含めて600名と伝えている。

 わたしが今年の登頂数は、ネパ-ル政府発表の確かな数字として捉えているのは、ネパ-ル側からの登頂者数は222名、ネパ-ル人ガイト233名、合計455名。

8年間のネパ-ル側からの登頂者数

2010年  468名

2011年  278

2012   393

2013   578

2014     6

2015     0

2016   451

2017   455

1953年にイギリス隊が初登頂して2017年までの累計登頂総数は5324名

 

エベレスト8848m

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エベレスト・ベ-スキャンプ 5300m

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エベレストBCからキヤンプ1への登路 アイス・フオ-ル地帯

2014年4月の氷河雪崩が襲った一帯

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2015年4月 氷河雪崩の発生点になったプモリ峰から続く山々

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1991年 アンナプルナⅠ峰のBCを襲った氷河雪崩

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