koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

那須温泉ファミリ-スキ-場コ-ス外雪崩死亡事故

那須温泉ファミリ-スキ-場コ-ス外雪崩死亡事故

高校山岳部合同春山安全登山講習会 

残念な雪崩事故になってしまった。

まつたくかわいそうで、若い高校生が登山の講習会事故で死亡するなんて。

自分に何が起こったのか、訳が分からないうちに亡くなったのだろう。

ご冥福を祈るだけで、何もできない。

 

雪崩死亡事故の概要

 2017年3月27日午前8時30分ころ、栃木県那須町那須温泉ファミリ-スキ-場のコ-ス外上部で雪崩発生。

 高校山岳部の春山安全講習会に参加していた指導員教師を含む48名が雪崩に遭遇。男子高校生7人と男子教員1人の8名が死亡。生徒と教師合わせて40名が負傷した。

死亡しのは、県立大田原高校の生徒と教員。

 この雪崩、自然発生なのか人為的雪崩なのかは不明。雪崩発生の上部に登山者などの人が居たかどうかも不明。

 前日26日からの積雪は30cmを超えていた。雪崩事故現場より上部は50cmとも云われている。

 二泊三日の日程で入山、スキ-場の下部にテントを設営して宿泊。事故当日は夜間の積雪があり、午前7時30分から予定していた茶臼岳春山登山を取りやめてラッセル訓練に切り替えていた。

 講習に参加した高校生全員を、たぶん高校別に班編成している。県立大田原高校の生徒と指導に当たった先生が一斑で、先頭で前日から積もった深雪をラッセルしながら進み、尾根上に上がってから全員が休憩している所に、その先の斜面から雪崩が押し寄せ、最大2m埋没している。

 

春山講習会という理由で雪崩装備の携行せず

 講習会参加者全員が冬山の雪崩関連装備の三種の神器のプロ-ブ・雪崩ビ-コン・シャベルを持参していなかった。春山であり、過去の冬山の雪崩場所が分かっていた。トレ-スの予定ル-トはなだれない場所を訓練場所にするので不携帯だった。残雪期の山での雪崩は、一定以上の傾斜斜面ではなだれない保証はない。いつでも条件が揃えば雪崩れることが分かっていなかった。雪や雪崩の知識がなかったことが覗える。指導に当たった先生はもとより、講習会参加の高校生達も雪崩の知識がなかった。登山愛好者であれば、雪山では「ラッセルの知識と技術」以前に「雪崩の知識」取得を優先するか、又同時取得であってほしいものだ。

 

事故直後から警察の過失者探し

 雪崩事故から10日が過ぎた。この間の情報としては、報道によると前述した以外の新しい事柄はない。目立つのは警察が犯人捜しのごとく、過失を求めて奮闘と云おうか騒わがしいのが目につく。日本の山岳事故で最初に大きく取り扱われる「自己責任」は、最初から今日までどこを探しても出てこないし目につかない。以前、警察が関わったある山岳事故では、警察自ら死亡事故者本人の責任が100%と主張していたのだが。さすが高校生達が相手では、高校生の自己責任とは言い出せないのかもしれない。            

 私は、山岳事故についてその責任が、事故車本人に100%あるとは考えていない。その理由は色々ある。社会的には、登山を登山文化とも云い、その登山行為は一人一人の市民の生活を豊かにするものと、私は考えている。ゆえに、社会全体で山岳事故や遭難を防止する活動をすべき、と考えているのだ。

 

雪崩埋没から15分以内に救出すると90%以上の確率で生存

これは過去の雪崩事故での生存率統計で、雪崩事故では初期捜索が大切なのだ。

 今回の雪崩事故については、一部が雪崩のデブリに埋まった人や、先頭集団でない雪崩に遭遇しなかったパ-ティ-(班)のメンバ-が、埋没した人達を捜索したのかどうか不明のままだ。どうしてなのか、捜索したのかしなかったのかを聞き取り調査が行われていないのだろうか。これは不可解だ。普通に考えて、目の前で雪に埋まった仲間がいるのに、手をこまねいているだろうか。シャベルなど無ければ手袋を履いた手で必死に探すのが普通なのではないか。高校1年生と2年生にもなって、もう身体や頭脳は大人になりかけで、埋まっている仲間を救おうとするだろう。まだまだ子供なので、為すすべもなかったと云えばそれまでだが。

 私ごとになるが、私の高校生時代は、もう冬山を高校の仲間と一緒に登っていた。山岳部や同好会などの組織はなく、先生や大人の指導を仰ぐこともなく。一月の冬休みに札幌近郊の冬山。春香山の銀嶺荘に一週間分の食糧を荷揚げして、山荘と山頂の間の大斜面を毎日滑って遊んでいた。

 高校生は大人ではないかもしれないが、冬山を企画実行するくらいの知識と行動力はある。いっぱしの登山愛好者に加えても良い。今回の雪崩で多くの犠牲者を出した県立大田原高校山岳部の生徒は、県のインターハイ予選会(第1位のみ全国インターハイ出場)  8連覇中。関東大会予選会(第6位まで関東大会出場) 3連覇中で、全国インターハイ(全国高校登山大会) 8年連続出場と、登山の実力高になっている。これは県立大田原高校のホ-ムペ-ジに掲載されているもの。

 この春山安全登山講習会に参加した数校の高校山岳部は、山岳部として冬山登山禁止されていたとしてもだ、仲間が雪に埋没しているのだから、生き残った者たちが救助をしたのかどうか。どうも誰も行動をしていないのなら残念。

 

高校生の冬山登山禁止

今回の春山講習会参加校山岳部・クラブの全ては、冬山登山を禁止されている。

高校生の冬山登山禁止は、文部省が定めているのか、又は各地の教育委員会なのかは不明。

 高校生が登山をするのを止めることはできない。それが夏山であろうと冬山であっても。禁止する理由が見当たらないからだ。

 この「冬山登山禁止」の理由は、危険だからだろう。それでは登山の危険は、夏と冬ではちがうかの様なのだ実際はどうだろう。夏山での遭難や事故は、冬山と変わらないとするのが私の考え。登山をただ安全や危険でとらえること自体がおかしい。私達が生活するいわゆる街中では、交通事故などを除いてはそれほどの危険を感じることは少ない。それと比較して山岳は、街の生活し易い環境と比べて全くの自然の世界と云う危険が存在する。例えば急峻な崖などを登らなければならない危険だ。

そして、気象遭難と云われる通り、家に居る安全と比べて山での悪天気による事故が考えられる。

 夏山と冬山の違いは何だろう。気象では夏よりも冬の方が寒いし、雨でなく雪が降る。しかし、氷点下で雪が降る気象環境は、危険度を計る上での度量にはならないだろう。それなりに服装や装備を準備することで、危険をなくすことが可能だ。山に雪が積もることで、夏には歩けなかった場所が冬には容易にル-ト選択や歩行が容易になるなど、冬山の利点もある。急傾斜斜面には固雪や氷壁になって、アイスバイルなどを使用して登り易くなる。

 冬山の危険で決定的なのは雪による雪崩だろう。これは雪のない夏山には絶対にない危険。今回の高校生春山講習会の死亡事故もこの雪崩事故だった。

私は高校生の冬山登山禁止が招いた雪崩事故ではないかと危惧している。

 文部省や教育委員会が制定する「高校山岳部の冬山登山禁止」は、決して高校生の冬山を禁止している訳ではない。年齢に関係なく登山する自由や権利はある。高校にある山岳部や同好会などのクラブ活動としての冬山登山を禁止しているだけ。高校生がクラブでなく自分で冬山を登山することを禁止している訳ではない。それでは、高校生はどこで冬山登山の知識と技術を学習すれば良いのだろうか。冬山に登りたい高校生は、学習する機会に閉ざされている現実が日本にはある。本人に登山の意欲がある場合は、社会人山岳会での学習しかないのだろう。

 社会人山岳会のには、大学の山岳部部員が会員として活動している。大学生には山岳部活動で「冬山登山禁止」はない。勿論社会人は登山活動の自由や権利は保障されている。大学山岳部員は大学と社会人の両山岳部(会)に二重加入することで、登山の知識と技術を習得している。雪や雪崩についての知識も同様。社会人山岳会では、大学生の会費を安くしているところが多い。

 現在の社会人山岳会では、ほとんどの山岳会やクラブでは雪崩講習会などの学習を行っている。高校を卒業した社会人には、雪崩に遭わないための知識と技術を身に着ける機会が保障されているが、現状の高校生には無い。

 高校の山岳部などのクラブが、もしも「冬山登山禁止」でなく夏山と同様な活動をしていたなら、社会人山学会と同様な雪崩の危険を回避する知識と技術の指導も行われていたと思われる。私の「登山」の考えでは、教育委員会の冬山登山禁止の定めが、今回の高校生雪崩事故の要因であることを指摘したい。教育委員会が絶対に「冬山登山禁止」にしたいのであれば、高校生に社会人山岳会への入会を勧める手立てをも同時に定めなければダメだ。高校教育委員会自身が高校生に登山教育をしたくないのであれば、他の教育手段の紹介くらいはすべき。

 今回の高校生雪崩死亡事故は、禁止だけでは高校生達の雪崩事故を防ぐことができないことを示唆したている。

 

実際の登山でも、講習会でもだが、登山は楽しくなければならない

登山は、自然環境の中で行うもの。科学的な知識と技術を身に着けて安全登山をしてほしい。

一つひとつ、一歩いっぽと色々なことを体得してこそ楽しい登山となる。

 一人ひとりの高校生が体得すること、経験する過程も楽しい登山であってほしいと願っている。

 

 このブログに、私が高校生だった頃の冬山登山の写真を貼りつけようとトライしたが、先月の月末近くから写真をアップできなくなった。

どなたか、写真を付けれなくなった壊れたブログの修復方法を教えてほしい。よろしく。