koyaken4852のブログ

ネパ-ル暮らしの日記や、主にネパ-ルの写真を掲載

ネパ-ルの食事 その5

 ネパ-ルの食事の五回目。一回目から四回目までは、ネパ-ルでの家庭料理やホテル・レストランでの食事などとネパ-ル独特のお菓子を写真で見た。

今回はネパ-ルのお酒を写真で見てみる。

 ネパ-ルのお酒は日本と変わらない種類がある。一般的なお酒はビ-ルやワインとウイスキ-など。亜熱帯気候なので砂糖キビが取れ、砂糖キビそのものや搾り汁・搾りカスから作るラム酒が数社から販売されている。昔からのラム酒の銘柄は、ククリラムやグルカラムなどが有名。

 ククリは日本の日本刀に似て刀の役割をして、又短いので包丁としても使われているもの。

 グルカはイギリスやインドに雇われているネパ-ル人雇傭兵のグルカ兵からとられている。

 グルカ兵について少し説明すると。1769年カトマンドから北西に約90kmのゴルカ地方の王様、プリトゥビ・ナラヤン・シャハ王(ゴルカ地方の第10代王)が、カトマンドゥ盆地のカトマンドゥ・バタン・バクタプルの3王を戦争で打ち破り、以後ネパ-ルを統一する。この時からシャハ王朝時代が始まる。

 1814年と1816年に二度にわたりイギリスがネパ-ルを攻める。イギリスの東インド会社軍がネパ-ルに攻め入るネパ-ル・イギリス戦争で、ネパ-ルが善戦。この時に結んだスゴウリ講和条約以後の条約締結により、イギリスがネパ-ル兵の勇敢さを認め、イギリス軍傭兵に志願できる条約条項で今日でも毎年500名前後が新兵・退役兵としている。

 その後太平洋戦争後にイギリス植民地のインドが独立して、イギリス兵としてインドに駐留していたグルカ兵がインド軍に統一されて、今日ではイギリスとインドの両国に傭兵を送り出している。

 ラム酒のグルカラムのグルカは、この時の勇敢なゴルカ兵のGurkhaをグルカと読み替えてつけられた。

 

 ネパ-ルのお酒は、一般的なお酒以外に3種類の地酒がある。それは日本の焼酎にあたるロキシ-。それとどぶろくのチャン。他にアワやヒエから作られるトンバがある。

 これらのお酒以外には、リンゴの産地で作られるリンゴ酒やブランデ-もある。リンゴ酒はアルコ-ル度数が弱く、リンゴそのもので作られる度数の強いブランデ-などは、リンゴの産地のマルファ-町で作られ売られている。マルファ-町はアンナプルナヒマ-ルとダウラギリヒマ-ルの境を流れるカリガンダギ川の上流部にある町で、日本人の河口慧海が明治30年と37年にチベットに潜入する前に滞在した地で有名。街の家々の壁は白く塗られていて独特の風情をかもしだしている。

 ネパ-ルにも日本と同様に酒税法がある。ゆえにこれらの家庭で作る地酒を対価を取っての販売は禁止されている。日本人経営のレストランでは、この規律を破って他の同業者に税務署へ密告されることを恐れ、タダで飲めるのが嬉しい。

 

砂糖キビから作られるククリラム酒

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マルファ-町のアップルブランデ-

家の中庭にはプラスチックの大きな容器にリンゴが沢山入れて置かれている

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白壁が美しいマルファ-町

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マルファ-町の川口慧海ミユ-ジアムにある川口慧海の写真

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川口慧海がチベットチベット仏教経典を求めて潜入する時の荷物入れ

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ネパ-ルで飲めるお酒類

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ロキシ- 日本の焼酎の蒸留酒

穀物を寝かせて発酵させる 穀物を入れたまま暖め 上に水を入れた器で冷ます

一年物以上寝かせた良質のロキシ-に出会いたいもの

 器と器の隙間から蒸気になったお酒が器の外に逃げ出さないように、隙間をふさぐのはなんと牛の糞

 ネパ-ルの牛は、ヒンドゥ-教三大神の破壊の神様シヴァ神の乗り物。神聖な牛の糞を使ったロキシ-も又神聖な飲み物だと良いのだが、神聖な酔っ払いなどいない

 

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トンバ アワやヒエを発酵させる

一年以上寝かせた良質のトンバは、アルコ-ル濃度が高くすぐ酔っ払う

ネパ-ル語でコ-トと呼ぶヒエを発酵させたものが美味しい

 飲む儀式 最初にお湯を入れる。まず金属のストロ-を下まで沈め、ストロ-の上に指を当ててトンバをストロ-に入れる。ストロ-内のトンバを指をあてた側から受け皿にあける。ストロ-は何回も使用するのでストロ-内部をアルコ-ル消毒するのだ。ネパ-ル人は一度だが私は2度することにしいる

ストロ-の下側は、アワやヒエを吸い込まないようにつぶしてある

 ストロ-で一杯目を飲み干す。サア-これからが面白い。ヒエだけが残っているところに又お湯を注ぐ。ヒエに残っている香りやアルコ-ル分が甦る。こうして薄くなるまで3回は飲める。

 ロキシ-は一年中飲むが、このトンバはお湯を入れるので11月の涼しくなってから。昨年のカトマンドゥレストランでは11月1日から楽しめた

この写真のトンバとつまみはライ族の友人宅で

つまみの左側の白いのは、チュウラ。炊いた米粒を平たくして乾燥する

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トンバはネパ-ルの東側で作られている

 東側は8千m峰のカンチェンジュンガ峰地方の飛行場カ-カルビッタ周辺からタライ平野のインド国境近くのビラトナガ-ル周辺。

ここら辺の家の台所には、トンバを飲む器がズラ-と並んで飾ってある

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