先日の夜は頭の痛い集いだった。
ネパ-ルでビスタリ・カトマンドゥと云って、のほほんと暮らしている私にとっては都合の悪い頭の痛い話題の飲み会があった。
私はネパ-ルに住む日本人やネパ-ル人に、なるべく迷惑をかけない生活をするように心がけている。
日本料理レストランで夕食をしていると、ネパ-ルに移り住んで40年以上の友人が、あちこちの席でご飯を食べたり飲んでいる日本人達を一か所に集め出した。
世界銀行ワシントン支店に勤務する人の話になり、ネパ-ルに出張で来て、これからアッパ-ドルポに入るという。ネパ-ルの山奥で、未だに世界の秘境と云われる場所。貧困率40%を超えると思われる地域に調査に入るとのこと。この人以前にネパ-ルで生活していたことがある。
今回はネパ-ルの3プロジェクトを立ち上げるかもしれない事前調査。世界銀行は貧困率40%超地域への支援活動を推進していて、ネパ-ル3ケ所で事業を展開するかもしれない。まず、電気の無いエリアなので、ソ-ラ-か何かの手段で発電施設建設と各家庭への送電から始めるそう。
こんな話を聞いていると、ここで皆からネパ-ルではまずカトマンドゥの停電を何とかしてほしい、と云い始めた。夏の8月時点で一日6~8時間の停電。ネパ-ルは雨季から乾季に入って、増々停電時間が長くなる。雨季の二倍になる。文句たらたら。
しかしだ。世界銀行から派遣された彼はさすが、皆から出てくる文句や意見を意に反すふうでもない。金持ちの文句は全く考慮の外で、一日1ドル以下で生活している人々の救済こそ必要と。そうだ、ここに居る人達は自分でソ-ラ-でも何でも買えば良いのだ。
世界銀行の彼、アッパ-ドルポに調査に入る入域料がなんと一人500ドル取られると。外人のトレッキング扱いだ。ほとんどネパ-ルの公務に近い仕事なのに、とちょっと愚痴る。
ビスタリ・ネパ-ルで生活している私も、この話合いにはお付き合い。
次第に飲み会に変わり、元テレビ局ディレクタ-でロ-マンタンなどネパ-ル秘境の取材をしてきた大谷映芳さんも加わって続くのでした。
ドルポの紹介
ドルポ地方はロウワ-ドルポとアッパ-ドルポに分けられ、両地域共に未だ秘境だが、アッパ-ドルポへ入る人は少ない。
このエリアを綴った作家ピ-タ-マティセン作「雪豹」がある。又、約100年くらい前にネパ-ルから鎖国中のチベットへ渡った河口慧海が近くを通った。
以下は在日本ネパ-ル大使館の説明
ドルポはネパールの北西部、ダウラギリ大山塊の後ろに位置する人里離れた地域で、ネパールの中でも特にベールにつつまれてきた地域です。人跡未踏で標高の高いドルポの渓谷は、1989年まで外部に閉ざされたままでいました。地理的な難所によって自然に隔離されてきたこの土地の人々は、現代社会の魔の手にほとんど触れられることなく残された、彼ら独自のライフスタイルを守り続けています。このトレッキングでは、何世紀も前のライフスタイルを今に至るまで維持している人々に出会えます。この土地の名前は、オスカー賞にもノミネートされた、エリック・ヴァリ監督の映画「キャラバン」によって、一躍世間に知られることとなりました。
日本食レストランこてつ 今年1月にパニポカリからラジンパットの西部に移転