ネパ-ルの首都カトマンドゥでは日本にあるような地域ごとの子供の遊ぶ公園を見たことがない。
ネパ-ル最大のお祭りダサイン大祭は2週間にわたって行われる。日本のお正月とお盆が一緒にきた様な行事だ。
子供の公園が無いからかどうか分からないが、ダサイン大祭が始まると空き地にブランコが作られ、子供たちは勿論その親も連れだって楽しく遊んでいる。
私の住む借家は道路から3件目。4軒並びとその奥の曲がった所に1軒ある。この並んだ家々の前が草地の空地になっている。この草地には牛が定期的かどうか不明だが、牧草として食べに現れる。昔のカトマンドゥではどこの道路にも牛が歩き寝そべっていた。その後新しい法律ができて、新たに牛を放し飼いに出来なくなってからは道路に牛を見かけなくなった。しかし今でも路地を入るとこの様に何頭もの牛が草を求めて歩き回っている。
ネパ-ルでは牛はヒンデゥ-教の神様の乗り物、旧法律では人間と同様に刑法があって傷つけたり殺すと罰せられた。
一週間も前か、今年はブランコの職人は現れないのかと思っていると現れた。7・8人も居るだろうか。若者だけのグル-プだ。いつもはリ-ダ-格の人がいるのだが、今年は皆20歳前後か。やはりブランコ作りを見ていると、支持する人が居ないので、作っては壊しのやり直しが多い。おまけに10Cm位の太い竹をしのらせ過ぎて、竹を立てた中間位に人が登っているのに根元からばりばりばりと甲高い音と共に折れてしまったではないか。その日にでも切ってきた様な真新しい竹を6本使ってブランコが作られた。
2日間もかかってようやくブランコが完成する。できた瞬間に、完成を見守っていた子供たちが一斉に乗り始める。ちょうど私の借りているフラットの真ん前にブランコかあり、ぎしぎしぎしとゆり動く都度に音がする。朝早くから夕方の暗くなる寸前まで、この音が響いてくる。
今日ミネラルウオ-タ-が無くなったので、買に行こうと出てみると、いつも頭の整髪をしてもらっている床屋のおやじとその子供が楽しそうにブランコで遊んでいた。おやじとヤ、ナマステとあいさつ。